仏師とミケランジェロ

先日、BSプレミアム(NHK)の「旅のチカラ」というテレビ番組で、「ミケランジェロの街で仏を刻む~松本明慶・イタリア~」が放送されました。

ミシェルのお父さんは、何度も行ったことがある「イタリア」という文字に興味を抱き、この番組を見たのですが、ひたむきな人間の「心」に深く感動しました。



迫力と慈愛に満ちた仏を彫り上げることで知られる松本明慶(68歳)さんは、「魂の仏師」と呼ばれています。

その松本さんが、どうしても超えられないのが鎌倉時代の仏師・運慶の仏です。

松本さんは、伝統の呪縛を打ち破ろうとイタリアへ旅立ちます。

目的は、10代の頃から封印してきたミケランジェロの代表作「ピエタ」に向き合う為です。

ミケランジェロは何を求め、死の間際までピエタを彫り続けたのか?

自分は、何を目指して仏を彫るのか?

ミケランジェロゆかりの地で、仏を彫る松本さんの旅です。


「サン・ピエトロのピエタ」(1498年 - 1500年、サン・ピエトロ大聖堂)

松本さんは、17歳の時に4歳下の弟さんを亡くし、言葉にならない憤りと喪失感にさいなまれ、気づいたら、ひたすらに仏を彫っていたそうです。

松本さんの心の師は運慶。

10代の頃、ミケランジェロの作品「ピエタ」に大きな感銘を受けましたが、その「ピエタ」と真正面から向き合う心と技ができるまで、イタリアに行くことは控えていました。

仏師としての壁に遭遇した松本さんは、それを乗り越えるべく、イタリアに行って更なる高みを目指します。

初めて「ピエタ」と直面した松本さんは、1時間近く言葉を発せず、ただひたすら見つめていました。

感動と命。

聖母マリアの表情が、とても悲しく、泣いているように見えました。

聖母マリアも、子供(イエス・キリスト)が死んで悲しまないわけがない・・・


「ロンダニーニのピエタ」(1559年 -未完成 、ミラノ・スフォルツァ城博物館)

ミケランジェロは、4作の「ピエタ」を彫ったと言われていますが、松本さんは、視力を失いながら手探りで制作を続けたといわれる4作目の「ロンダニーニのピエタ」を目の前にした時も、感動のあまり言葉を失います。

ミケランジェロの彫刻は、人間の筋肉をリアルに表現することでも知られていますが、この「ロンダーにのピエタ」を作ろうとした時は、肉体をリアルに表現することは諦め、心を表現することに集中したと言われています。



この山は、ミケランジェロの作品の大理石を採掘したというカラーラです。

ミケランジェロが書いたという石のサイズを記入した発注書も残っています。



話は横道にそれますが、この建物は、ロンドンの中心地であるシティ(金融街、景観規制地区)にあるゴールドマンサックス(世界最大級のアメリカ系投資銀行)のヨーロッパ本社ビルです。

ミシェルのお父さんがロンドン勤務の最後に担当(役職:Project Director)した建物で、延床面積6万㎡、建設費200億円(内装工事費は含まず)という工事でした。
(当工事については、別の機会に紹介させて頂く予定です)

この建物の壁や床などに張る石を求めて、お父さんは、イタリア、スペイン、ポルトガルを旅行しました。

その時、カラーラにも行き、石山にある岩肌を見て選び、直接、石を買い付けるという貴重な体験をしました。



松本さんも、ミケランジェロ自身が大理石を選定したというカラーラの山に行ってみました。

そして、松本さんは、カラーラの麓の街で阿弥陀如来と自分の手を彫ることを決心します。

ほぼ彫りあがった仏の顔を見て、松本さんは、仏の特徴であるふっくらした頬を削り、目も深く彫り込みます。

完成した仏の顔には、松本さんが「ピエタ」に見た母親の顔が重なります。

旅の最後に、松本さんは「今回の旅で見つけものを元に、更なる高みを見つけたいと思います」と語ります。



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No title

ピエタは、亡くなったイエス・キリストと、そのキリストを抱く聖母マリアの像ですよね。
私もイタリアを旅行した際に見ましたが、実物を見て大変感動したのを覚えています。
仏師とミケランジェロは、一見、関係が薄いようにも思えますが、共通する熱い思いが心にあるのでしょうね。

No title

私もサンピエトロのピエタはとても心、魅かれます。
松本さんも、もっともっと、と自分の心と技術を
高めようとしてらっしゃるのでしょう。
素晴らしい芸術家の方々は、きっと心の中に「まだ
まだ」という謙虚な思いを秘めてらっしゃるのでは
ないでしょうか。きっと、これで満足、という事は
ないのでしょうね。
パパさんのロンドンでの最後のお仕事の建物、とても
素晴らしいですね。いつか、本物を見てみたいです。

Re: No title

>MACさん
そのとおりです。
ミケランジェロは、4つのピエタを作ったようです。
このような素晴らしい像を作ったミケランジェロは、本当に凄い人ですね。

Re: No title

>勘太‐モモのママさん
サンピエトロのピエタは、ミケランジェロの最高傑作とも言われていますよね。
松本さん程の仏師でも「まだまだ」と思い、更に高みを極める為に勉強されているのですね。
このような人を見ると、日本の政治家が、益々愚かに見えてしまいます。

ありがとうございます。
この建物については、改めて紹介させていただく予定ですが、13年間のロンドン勤務の集大成でした。
それをロンドンの中心地に残せたのは、とても幸運でした。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

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