小木曽美和子さんの願い



福島第1原発の事故から、早1年3ヶ月が過ぎました。

今では、福島第1原発のことを報じるニュースも少なく、多くの国民は、その現状を知らないものと思います。

しかし、事故の収束までには、まだまだ多くの困難と道のりが残っており、依然として、悲惨な状況に置かれた多くの避難民と動物達が居ることを、私達は忘れてはなりません。


20日、東京電力の福島第1原発事故調査委員会が、事故の最終報告書をまとめました。

これを見た県内の首長や被災者は、「正当性を主張しているだけ。国や自然災害のせいにし、とんでもない話だ。」と憤っています。

また、内閣府原子力委員会による秘密会議で、高速増殖炉「もんじゅ」の延命を狙ったシナリオの隠蔽が判明しました。


このような原発を取り巻く状況において、それでも政府は、大飯原発の再稼働を決定しています。

国民の安全を最優先に考えるべき政府が、このような状態で、国民は、いったい誰を信じれば良いのでしょうか。



今夕、悲しいニュースが流れました。

元福井新聞社記者で、長年、原発の反対運動を続けてこられた小木曽美和子さんが亡くなられました。

本日は、生前の小木曽さんのインタビュー記事(抜粋)を御紹介させていただきます。


Q1.原発問題に関わることになったきっかけと福井での運動の経過について教えてください。

ある時、地元企業のPCB汚染問題が発生し、旧社会党の国会調査団が現地調査に入りました。

その時、同時に原発についても調査を行ったのですが、その調査に私も同行したことがきっかけで、原発問題に関わるようになったのです。

福井は最初に商業原発を誘致して建設した所で、敦賀、美浜が70年に運転開始されています。

しかし、元々、保守的な地域だったこともあって、原発推進派の一方的な宣伝ばかりで、危険性についての情報は全く入って来ませんでした。

電力会社、通産省、そしてそれを権威づける専門家による情報を信じるしかなかったのです。

中には、漁民の反対を受け止め、市民の思いを大切にする中で原発を造らなかった小浜市のような例もありますが、多くの場合、漁業の規模は小さく、反対運動が起きにくい過疎の集落などを狙い撃ちにして、建設計画が進められました。

しかし現実に運転が始まると、原発に批判的な研究者グループから、コバルトが検出されたという調査報告が出てきました。

また、運転開始された福島でも海底の汚染が報告され、完全に閉じ込めておくはずの放射性物質が、現に環境に飛び出している事実を隠し通せなくなり、新増設が難しくなった為に、電源三法が出来たのです。

原発建設でお金が付くということで、福井には計9基(現在15基)の原発が建設され、そして高速増殖炉「もんじゅ」の新設計画が浮上しました。

そういった中で、このままどんどん原発を造っていいのか、そして「もんじゅ」とは何なのかという疑問が湧き上がってきたのです。

そこで私達は情報をかき集めて、今までの軽水炉とはまったく違う、プルトニウムを使う、世界でもまだ成功していない恐ろしいものであるということが解りました。

それまでは、各地域に小さな反対グループはあっても繋がりは無く、大きな運動になっていませんでしたが、この「もんじゅ」への反対運動であれば広く組織化できるのではないかということで、全県に党派を超えた形で呼びかけました。

そうして1976年に「原子力発電に反対する福井県民会議」が結成されました。


Q2.しかし反対の声を押し切って「もんじゅ」は建設され、95年にはナトリウム漏えい火災の重大事故が起こってしまいました。

「もんじゅ」については、私達は当初からナトリウム火災事故の危険性を指摘してきましたから、事故が起こった時は「やはり」という思いでした。

しかし、更に問題だったのは、旧動燃がビデオ隠しなど事実を改ざんして事故を隠ぺいしたことです。

事故翌日に、私達は徹底的に情報を明らかにして欲しいと申し入れをして、福井県は抜き打ちの緊急立ち入り権を行使し、独自調査しました。

その結果、動燃の公開資料と事実のあまりの違いが明らかになったのです。

それが無ければ、今でも事実は隠ぺいされたままだったでしょう。

やはり情報の公開というのは安全を考える上で大切な問題です。



しかし、運転しているかいないかに関わらず、「もんじゅ」の存在自体が危険なものです。

「もんじゅ」の地盤には、直下1kmに「白木~丹生断層」、直下5kmには「C断層」と2つの活断層があります。

美浜原発にも、そして敦賀原発に至っては、炉心から250mの敷地内に活断層があります。

敦賀半島全体が地盤に問題があるのです。

深刻な問題ですが、ちゃんと審査されてこなかったのです。

だから、「もんじゅ」は動かしたら、更に危険なのです。

地震で配管が壊れたら、ナトリウムが漏れ出て空気と反応して爆発してしまう。

コンクリートからも水分を奪って反応し、それが影響して最終的には炉心崩壊に至りうるということは、「もんじゅ」の高裁判決でも認定されたことです。


Q3.事故が起こった後でも電力会社は原発運転再開に躍起になっています。

関西電力の原発依存率は約54%と高い数字です。

だから出力の小さい老朽原発を見捨ててでも、出力が大きく比較的新しい大飯3、4号機の再稼動を優先させようという事情が、今回のストレステストをいち早く進めている動きの背景にあります。

しかし、福井で原発事故が発生した時を考えると、関西最大の「水がめ」である琵琶湖がどうなってしまうのかが大きな問題です。

また、例えば、京都府は高浜原発から最も近いところで4kmしかありません。

周辺自治体は、一斉に関電に対して、立地県並みの内容を持った安全協定を求めています。

今までは、福井県と立地する小さな自治体に対応すれば良かったのが、そうはいかなくなってしまうので、関電は締結を渋っていますが、このことは、関西でも自治体側が事故のことを深刻に受け止めつつあることを示しています。

私達は80年代、1万個以上の風船を飛ばして風向きを調査しましたが、風向きによっては関西を直撃しますし、あるいは名古屋、長野をかすめながら、最終的には千葉辺りまで辿り着いています。


Q4.原発立地県で反対の声を上げていくことには並々ならぬご苦労があるかと思いますが。

敦賀など原発立地の自治体には、なんと言っても原発に生活を預けている、それで成り立っている人達が多いわけですから、原発が止まったままでは困る、そういう意味で、早く再開して欲しいという住民の声があることも事実ですが、それが圧倒的かというとそうでもないのです。

敦賀3、4号機の増設問題の時、県民署名を行ったところ、約21万人分集まりました。

県内有権者の3人に1人以上が署名したことになりますので、県知事もびっくりして、長い間増設ができなかったのです。

福井県内でも小浜市は大飯原発の隣接自治体ですが、若狭の伝統文化を中心とした観光の街としての生き方を選んでいます。

地方の経済の落込み、格差の拡大の中、決して豊かとまでは言えませんが、原発無しではやっていけないというわけではないのです。




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まとめtyaiました【小木曽美和子さんの願い】

福島第1原発の事故から、早1年3ヶ月が過ぎました。今では、福島第1原発のことを報じるニュースも少なく、多くの国民は、その現状を知らないものと思います。しかし、事故の収束までには、まだまだ多くの困難と道のりが残っており、依然として、悲惨な状況に置かれた多...

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小木曽美和子さんの訃報は、ニュースで知りました。本当に残念です。本当に、心配な状態を憂いながら、帰天された事と思います。被災者、被災地、福島の原発、本当に報道が少なく、日本のメディアには絶望しています。復興元年と言いながら、口先だけですね。人も、動物も、必死で生き抜いて、一日、一日が闘いですよね。生き抜いてきた動物の殺処分が始まっていると聞いて、政府に怒りのメールをしました!。本当にこの国は何処へ行こうとしているのでしょう!誰を信じたら良いのでしょう。頭が痛い事ばかりですね。

No title

風船による観測結果、風向きによっては名古屋、長野をかすめ千葉までとは、関西だけの問題ではありませんね。もう、日本国家の問題ですね。知りませんでした。
もっと報道すべきですね。恐ろしくです。
小木曽さんは、思い残すところがあった事でしょう。ご冥福をお祈りします。

No title

小木曽さんのインタビュー記事を読んで、原発の怖さを改めて考えさせられました。
今まで、電力会社も通産省も自民党も「原発は安全」と言い続けてきたわけですが、決して安全ではないことが、福島で証明されたわけです。
しかも、原発にとって不利になることは隠蔽する体質は、昔から続いています。
福島の問題が片付かないまま、再び原発を再稼動させることに、大いなる疑問を感じます。

Re: タイトルなし

>勘太・モモのママさん
小木曽さんは、御自分の身体の状態を把握されていたようですが、「命ある限り、原発に反対する」と言って、活動を続けられていたようです。
最近は、政府の提灯記事ばかり書いているマスコミが多いように感じますが、政府の矛盾を正すような気概を持った記者はいないのでしょうか?
野田首相は、よく「国民の為に」という言葉を使いますが、「国民の生活を第一に」と言って約束したマニフェストを全て破っているのは誰なのか、解っているのでしょうか?

Re: No title

>レグルスさん
レグルスさんが言われるとおりです。
しかし、実際は、千葉よりも遥か遠い所にも放射能は飛んで行くようです。

チェルノブイリの際も、中国の各実験(シルクロード附近)の際も、日本にも放射能が届いているようです。
福島の際も、アメリカで放射能が観測されているようです。
福島の第3号機は、燃料にプルトニウムが混じっていますから、その影響は深刻です。

政府が、どこまで真実を国民に公開するか疑問ですが、恐らく、本当に重大な問題は、国民に伏せておくのではないでしょうか。
そういう意味では、国民自身が、真実を知る努力をしないといけないかもしれません。

Re: No title

>ショコラさん
原発の安全神話なんて、真っ赤な嘘ですね。
福島にしても、「いつ収束できるのか?」、「本当に収束できるのか?」なんて、本当は誰も分かっていないと思います。
使用済みの核燃料は貯まる一方ですが、それを受け入れられる施設も無くなっています。
あとは、地面に埋めるしかないのですが、そんなものを子孫に残していいのでしょうか?
原発推進者は、目先の利益しか見えず、その頭は狂っているとしか思えません。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

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