熊にも言い分があります

4月20日、秋田八幡平クマ牧場から脱走した熊が、2人の女性従業員を死亡させるという事件が起きました。

そして、脱走した6頭の熊達は、地元の猟師によって射殺されてしまいました。

このような事件が起きると、日本のマスコミは、必ず「熊が人間を遅い、殺害」といったようなニュアンスで事件を報道し、一方的に「熊=凶暴=危険動物」といったイメージを国民に植え付けてしまいます。

事件をセンセーショナルに伝えるのがマスコミの常とは言え、果たして、このような偏った報道の在り方で良いのでしょうか?

このような報道が続く限り、正確な事実が国民に伝えられることはなく、再び悲しい事件が起きてしまうように思われます。


上空から見た秋田八幡平クマ牧場

写真を見ると解りますが、「牧場」とは名ばかりの狭さで、木も土も無いコンクリート製の檻です。

まるでコンクリートの塀で囲まれた、人間の犯罪者を収容する拘置所のようです。

牧場を経営する造園業の男性は、脱走の危険があるという理由で、県から「雪が消えるまで熊を屋外の運動場に出さないように」と指導を受けていたそうですが、運動場のコーナーには雪が高く積もっており、熊が容易に脱出できたことが想像されます。


塀の近くに溜まった雪山

地球上の全ての生き物が健全に生きられる環境の大切さを訴えるNPO法人の「地球生物会議(ALIVE)」は、次のように問題を指摘しておられます。(抜粋)


八幡平クマ牧場は、そもそも熊の飼養管理方法に大きな問題がある施設です。

2003年に秋田県庁にて4者会談(秋田県、地球生物会議、世界動物保護協会、八幡平クマ牧場の所有者)を行い、「閉園」の方針が受け入れられました。

しかし、その後、所有者が変わるなどして、状況の改善はなされないまま、施設の老朽化が進み、熊達の状況は益々悪化しているとの情報が寄せられました。

そこで当会では、2011年10月にその飼養状況を現地調査し、秋田県に対して公開質問書を提出しています。


狭い檻に閉じ込められた熊達

1.熊の給餌・飼養状況

八幡平クマ牧場では、給餌に問題があります。

病院給食の残飯とリンゴ・野菜等を1日おきに1頭あたり残飯10キロ、リンゴ(野菜)を2キロ給餌しているそうですが、この内容は熊の自然生態系における食生活とは大幅に異なっています。 

また狭いスペースに多頭飼育していることから、力関係が生じて十分に食べられず、衰弱している熊がいることは歴然としています。

冬の間は閉園になりますが、冬眠前に十分な体力を持たせることができない為、冬眠はさせていません。

寝る場所も天井も無いことからも、熊の習性への配慮が一切見られません。


見物客に餌をねだる熊達

2.クマの個体識別

特定動物でありながら、マイクロチップの装着は行っておらず、写真による個体識別を行っているとのことですが、その理由は「装着ができる獣医師が見つからないから」というものでした。

同じ秋田県内にある阿仁クマ牧場では、北海道大学の協力を得て、マイクロチップによる個体識別を実施しています。 

個体識別がなされないということは、導入時の由来、生年月日、雌雄の別、年齢等が不明となり、繁殖制限や病気の管理等もできないことになります。

基本的な管理を正確に行えない施設に、特定動物を40頭も飼養する資格はありません。


異常に痩せ細った熊

3.他自治体で捕獲されたツキノワグマ

平成22年10月26日、愛知県豊田市は有害駆除目的で母子のツキノワグマ3頭を捕獲した後、放獣できないという理由から、八幡平クマ牧場に引取りを依頼しました。

同牧場は、これを受け入れましたが、母熊は受け入れ後まもなく、衰弱して死亡しました。

かつてALIVEが同牧場を調査した際、「子熊は、1年ほど飼養してから猟師に引き渡す(熊の胆や肉を採る為)」とのことでした。


地球生物会議の野上ふさ子代表は、更に「八幡平クマ牧場は、20年以上も、こうした状態で、熊達は相当のストレスを感じているはず」と指摘されています。



熊とは、本来、自然の山の中で静かに暮らし、木の実を食べて生きています。

また、家族単位で暮らすことはあっても、集団で暮らす動物ではありません。

もし私達が熊で、一日中、木も土も無い狭い檻の中に閉じ込められ、人間にジロジロ見つめられ、人間の食べかすを与えられたとしたら、平気でいられるでしょうか?

もし私が熊だったら、間違いなく、このような環境からは逃げたいと思います。

そして、家族と一緒に、静かに、平和に、暮らしたいと思います。



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非公開コメント

本当におっしゃる通りです。

熊には熊の言い分が、あるはずですね。
こんな味気ない施設にいて、幸せなはずないですよ。
何故、こんな施設が要るのかしら?
そこまでして熊を見たいと思う人、いますかしら?
熊は「野生動物」という認識の私には、異常にしか思えません。
我が家は、山手に住んでいます。
庭の裏は山で、頻繁に鹿、イノシシが現れるんですが・・・・
人間を恐れる野生動物が、人の住んでるところに降りてくるのって、動物からしたら決死の覚悟なんだと思うんですよ・・・
でも生きていくのも食料がいるわけで、どんどん人のいるところまで下りてきてじゃないと無いってことですよね?
山がどんどん削られて家が建って行くんだから、たまらないでしょうね。。。
人の住む場所もいるかもしれないけど、守るべきものは守って行かねばと思います。
これ以上、生態系を崩すと地球は危険です。

本当に、そうですね!

このニュースを最初に耳にした時、涙が出て、仕方が
ありませんでした。そして暫くして、カリーノパパさんが
取り上げて下さる気がしました。詳しく教えて下さり、
有難うございます。本当に、こんなに劣悪な環境の中で、
熊達は何を楽しみに生きてきたのでしょう。
経営者側に、熊への愛情の欠片も感じられません。
このような環境で生きる事を強いられ、望まない状況に
なってしまい、原因を作った人間の手によって命まで
奪われてしまいました。言葉もありません。
犬や猫の事だけではありません。日本という国は命の
重さを知らなければいけませんね。
家族で仲良く暮らす幸せを与えてあげたかったです。
本当に悲しいニュースでした。

No title

くまにも言い訳が・・・・・(汗)
ご無沙汰しております。
同じ生き物なのに扱いが・・・・
それぞれの個体や種類によって生態系が違うんです。くまにはくまの生態系がありますから、それを理解した上で施設を作らないと、このような惨事になってしまうんです。
犬にも犬にあった生態系、猫にも魚にもあります。
もう少し、その生き物の立場に立って考えて欲しいですね。

No title

あっ!このニュース、NZでも流れました!!

AKITA、JAPANってテロップと、射殺された熊の映像が映ってたんですが、最初から見てなかったので、内容がわからなかったんですが・・・・

やっとわかりました^^

この熊達も可哀相ですが・・・・

もっと残酷な目に遭ってる熊もいます。。。。涙

パパさん、ご存知かな!?

何年も前から話題になってるんですが・・・・

『 ツキノワグマ 胆汁 中国 』で検索するといっぱい出て来ます。

狭い檻の中で一生、1日2回胆汁を採取されてるツキノワグマ!

見てて涙が出て来ます・・・・怒

Re: 本当に、そうですね!

>勘太・モモのママさん
動物園の存在意義はあるのでしょうが、野生の動物は、やはり自然の中で暮らすのが一番ですよね。
動物の立場で考えると、小さな檻の中に閉じ込められて、人間にジロジロ見つめられるのは、相当のストレスだと思います。
脱走した熊達は、恐らく、恐怖を感じていたのだと思います。

テレビを見ていて、男性従業員が、熊に対する愛情のかけらも無く、熊のことを非難していましたが、とても不思議に感じました。
今まで愛情を持って熊を飼育していたならば、例え女性従業員が亡くなった直後とはいえ、射殺された熊達のことを全く気遣うことが無いということは有り得ないと思います。

何れにしろ、こういう劣悪な施設は、一刻も早く無くしてもらいたいと思います。

Re: No title

>くまさん
こちらこそ、ご無沙汰しております。
1月に定年退職し、定年後の事務手続きや定年後の生活の準備などで、忙しくしております。
5月中旬から、富士山の近くで暮らすことになりました。

くまさんが言われるとおりだと思います。
熊の観点に立ったマスコミの報道が無いのを、とても残念に思います。
「地球は人間だけのもの」という人間の思いあがりではないでしょうか。

Re: No title

>流花・桃花ママさん
このニュースは、NZでも流れたのですか。
それだけ関心が高い内容ということですね。

日本では、射殺された熊達のことは、殆ど放送されません。
亡くなった女性従業員を取り上げたニュースばかりで、「熊=凶暴」というイメージだけが国民に伝えられています。

中国の熊のことは、私も聞きました。
まさに悪魔の仕業としか思えません。
あれだけパンダを大切にする国が、何故、他の熊には、あんなに残酷なことが出来るのでしょうか!

「目には目を、歯には歯を」と言いますが、正直言って「あのようなことをする人間を同じ目にあわせたい」と思うくらい腹立たしく感じていますv-412

Re: 本当におっしゃる通りです。

>chi---chiさん
chi---chiさんが言われるとおりです。
私の場合は、ここに行って、熊を見たいとは、全く思いません。
熊は、やはり自然の中に住むのが一番だと思います。

ニュースで、よく「熊が人里に現れた」と言って騒ぎますが、あれも「熊=凶暴=危険」というイメージを視聴者に与えているだけだと思います。
「何故、熊が人里に現れなければならなかったのか?」といった観点からニュースを伝えるマスコミは皆無です。

5月中旬から、私も自然の中で暮らすことになりますが、今まで以上に動物を大切にしたいと思います。
野生動物を敬い、自然の中では人間は謙虚であるべきと考えています。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

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