クィールへの手紙

先日、テレビで盲導犬が紹介されているのを見て、クィールのことを思い出しました。



クィールについては、「盲導犬クィールの一生」という本が出版され、その本を読まれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。



また、「クィール」という題名で、映画化もされました。



目の不自由な人の目となって働いてくれている盲導犬を見て、心より「ご苦労様」と思います。

盲導犬には、4回の別れがあると言われています。

ブリーダーさんの家で生まれ、生後2ヶ月まで親兄弟と一緒に過ごします。

生後2ヶ月を過ぎて最初の別れがやって来て、パピーウォーカーの元に行きます。

生後1歳までパピーウォーカーの家族と一緒に過ごし、人間の愛情をたっぷりと受けて育ちます。

生後1歳になるとパピーウォーカーと別れ、訓練所に行き、2回目の別れがやって来ます。

この時の別れが、犬にとってもパピーウォーカーにとっても、最も悲しい別れのように思います。

1歳から2歳までの間、盲導犬になる為の訓練を受けます。

しかし、実際に盲導犬になれるのは、3~4割だそうです。

盲導犬の試験に合格すると、目の不自由な人の元に行き、3回目の別れを経験します。

一般的には、10歳位まで盲導犬として活躍します。

10歳を過ぎる頃に引退し、約8年間を一緒に過ごした人と4回目のお別れをします。



犬生の殆どを人間の為に働いてくれる盲導犬に、熱い思いを抱く人は多いように思います。

クィールの死後、そんな人達が、1300通以上もの手紙をクィールに送りました。

本日は、その手紙の一つを御紹介させていただきます。



「わが家のクィール」   WM(兵庫県)

クィール、天国では、ゆっくり休んでますか。
あなたのことだから、また誰かの手助けをしているのでは・・・。
今日は、わが家のクィール・大の話を聞いて下さい。
あなたの足元にも及ばないけれど、私の心のクィールです。
大は、1991年10月生まれ。
両手の上にチョコンと乗る、それは可愛い子犬でした。
1日目はキュンキュン鳴いて落ち着かず、1週間目には一緒に眠るようになっていました。
甘えん坊で、くっつき虫。
天涯孤独の私には、子供同然でした。

3年後の阪神大震災。
部屋の家具は全部壊れ、私達は命からがら逃げ出しました。
大は心を病み一日中鳴き続け、私の姿が見えなくなると、オーと奇声を発しました。
仕事も閉店状態で、出かける時は大をリュックに入れ、両手にペットボトルという日々が続きました。
大の様子は少しずつ平常に戻って行きましたが、ガレキの埃、空気の悪さが原因でアトピーになり、私は入院、手術、失業と、どん底状態でした。
そして、私は大と一緒に死のうと思いました。
大の首に手を回し、指が骨の辺りを強く押しました。
大は大きなキョトンとした目でじっと私を見つめ、「どうしたの?」とも、「いいよ。一緒に死のう」ともとれる表情でした。
大の体温をこの手に感じ、あの震災直後の寒い夜、大の暖かさを頼って生きて来たことを思い出しました。
今、この瞬間も私を信じてくれている。
結局、死ねなかった。

何とか今まで大と一緒に生きて来れました。
そんな大も、今年11歳。
耳も遠くなり、顔の毛も抜け、昼夜も逆転しています。
クィール、あなたは12歳と25日で旅立ったと読みました。
大も、あと数年でしょう。
私は、大の為になら、何でもしてあげたい。
私が苦しい時、いつも隣に居てくれました。
でも、私には持病があり、ギリギリの生活力しかありません。
だから、この手の平で抱きしめて摩る、それぐらいしか出来ません。
今、私が願うことは、大が天寿を全うし、その瞬間、私の腕の中で旅立つことです。
それともう一つ、クィール、あなたも願って下さい。
生まれて来た命が簡単に捨てられないように、全ての動物が幸せになれますように。



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テーマ : 犬との生活
ジャンル : ペット

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No title

クィールの本は、私も読みました。
それと、テレビの番組も見ました。
盲導犬には、心より「ご苦労様」と言いたいです。

WMさんは阪神大震災でしたが、きっと東北震災でも、似たような体験をした人は居るのではないでしょうか。
実際に経験した人にしか解らない辛さがあるのだと思いますが、WMさんが「行きよう」と思った背景に、犬の存在が大きかったことを知り、益々犬がいとおしくなりました。

ありがとうございました!

カリーノパパさん、素晴らしいお手紙の紹介、感動で、
涙が止まりません。二度の大震災で、このような辛い
体験をされた方々、動物達のお話しが沢山、あった事
でしょう。このお手紙から、誠実に、懸命に生きて
こられた方である事が容易に想像できます。そして
そのような方に愛され、愛したワンちゃんの可愛さも
よくわかります。まさに人生のパートナー。犬は人の
心に寄りよってくれる愛しい存在である事を改めて
教えて下さったお手紙ですね。このワンちゃんの犬生、
幸せであった事は間違いありませんね。
もう、虹の橋のたもとへ旅だってしまったでしょうか。
きっと、ずっと飼い主さんを見守っていてくれますね。

クィールのお話しは、読んで、映画もテレビも観ました。
盲導犬は、本当に、辛い別れを繰り返して、役目を
果たすのですもの、それだけでも、頭が下がりますね。
盲導犬が年老いて、引退する時、ある飼い主さんが、
「二度、失明した気持ちになりました」と仰ってます。
本当にそうだと思います。盲導犬への理解と援助が
もっともっと必要ですね。

本当に、素晴らしいお手紙のご紹介、有り難うございました。

No title

私は本も映画も観てないんですが・・・・

盲導犬って、ラブラドールやゴールデンが多いのは、彼らのようにあの「しつこさ」がないと出来ないくらい過酷のようです。

3歳過ぎた頃におとなしくなってしまうコリーのような犬種は不向きだそうです。

でもそれよりもっと過酷なのが『聴導犬』とか・・・・

盲導犬は1日のお仕事を終え、あのハーネスを外してもらった瞬間から普通の犬になるのですが、聴導犬は24時間体制なのだそうです。

NZから日本に、かなりの頭数の盲導犬が行ってるんですよ~^^

Re: No title

>tintinさん
生涯に4回の別れを経験し、厳しい訓練を経たのちに目の不自由な方々の働く盲導犬には、本当に頭が下がります。
もし盲導犬が人間の言葉を話せたら、どのように思っているのか聞いてみたいと思います。

WMさんのケースも、犬が果たした役割は大変大きかったと思いますが、犬が人間に与えてくれるものは、とても大きいと思います。

Re: ありがとうございました!

>勘太・モモのママさん
昨年起きた東日本大震災については、色々なニュースが流れていますが、きっと、まだまだ知られていない悲しい出来事がいっぱいあるのでしょうね。
現在も辛い思いをされている人は大勢いらっしゃると思いますが、なんとか頑張って欲しいと願わずにはいられません。
犬と一緒に暮らしていた人達の中には、WMさんと同じような経験をされている方もいるかもしれませんね。
私が、もしWMさんと同じような境遇になったとしても、恐らく、愛犬から「生きる力」を得ることは間違いないと思います。

盲導犬については、ただただ「ご苦労様」という気持ちでいっぱいです。
そして、盲導犬が「幸せ」と感じる犬生を送ってくれることを願っています。

Re: No title

>流花・桃花ママさん
盲導犬になる為には、やはり特別な資質が必要なのでしょうね。
盲導犬の仕事は過酷だと思うのですが、ストレスが溜まらないことを願わずにはいられません。

盲導犬でも大変な仕事だと思いますが、聴導犬は更に大変なのですか。
彼らが、安らぐことが出来る時間があるといいのですが・・・。

本当に「ご苦労様」だと思うのですが、彼らに何かしてあげられることがあればいいのですが・・・。

我が家のクイール

犬と暮らす人には、それぞれ
我が家のクイールがいるのでしょうね …。

この本も、映画も知りませんでしたが、
この手紙には、胸を打たれました。

病院に来る盲導犬は、
目が不自由なご主人が引っ張る、
重たい硬いリード(胸にあてるタイプ)を
外すまでは、人のどちら側を歩くかも
自らの中で決まっているし、決して
好き勝手に動いたりしません。
けれど、病院内で診察などの為に
いったん、それを外すと、まるで
ペット犬になるんです。

そういう訓練を受けているんですよね。
それと同時に、外から帰ってきて、
目の不自由なご主人に、そんな風に
甘えるんだろうな … と思うと、嬉しいです。

とっても良い記事を、いつも、ありがとうございます!!

Re: 我が家のクイール

>やっこさん
やっこさんの言われるとおりだと思います。

「クィールへの手紙」という本で紹介されている手紙は、クィールへの愛情を語ったものが多いのですが、この手紙は異質で、とても衝撃を受け、忘れることが出来ませんでした。
皆さんに紹介するには、かなりシリアスな内容なので、紹介すべきか否か迷ったのですが、やっこさん始め、飼い主の犬への愛情を感じ取っていただき、私も紹介した甲斐がありました。

盲導犬については、ただただ「ご苦労様」と思っていて、「仕事が、ストレスになっていなければ良いが」と心配していたのですが、やっこさんのコメントを見て、少し安心しました。
今日、テレビで紹介されていたハワイの訓練所の所長さんも「犬も働くことに喜びを感じている。逆に、何もしないことによって、ストレスを感じることもある」と仰っていました。
私の心配が杞憂だったことを知り、嬉しく思いました。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

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