土の家

外国の家は、自然にとても馴染んでいるように見えます。

家が古くなると、その感が一層際立ちます。

一方、日本の家は、自然にそぐわないものが多いように感じます。

また、日本の家は、古くなると、とてもみすぼらしくなってしまいます。

一つの原因として、外国の家は、木やレンガや石といった自然の材料が使われているのに対して、日本の家は、新建材と呼ばれる人工材料が使われていることが考えられます。

そんな日本で、土で出来たブロックを使った家が完成しました。



曲線を描く壁面に、中世の民族建築を彷彿とさせる土色のブロックが積み上がっています。

千葉市で完成した住宅、「アース・ブリックス」です。

設計したアトリエ・天工人代表の山下保博氏は、「土を構造体とした日本初の試みだ」と語っています。

鉄筋やコンクリートを使わず、土ブロックだけの組積造の耐力壁を構築しました。

「土造」は、建築基準法で定められていませんが、土のブロックを使って、組積造として建設したのです。

アトリエ・天工人の所員らが、半年間にわたって約2500個のブロックを現地で製作しました。

その後、3カ月かけて積み上げました。



室内のひんやりとした空気が、心地良く感じられます。

山下氏は、「土は究極の自然素材だ。地球上のどこでも手に入るし、枯渇しない。鋼材のように経済の状況に応じて価格が高騰する心配もない」と言います。



東京大学の松村秀一教授や早稲田大学の輿石直幸教授らと共に、2008年から研究を開始しました。

製造設備が整わない海外での利用も視野に、焼成せず成形だけした土ブロックの実用化を目指しました。

現地で採れる粘土や砂に応じて、水などの配合を調整すれば良いのです。

その場にある資材を存分に使うことができれば、材料費や輸送費を大幅に削減できます。

土ブロックの技術はこうした特徴を生かして、地球上に留まらず、宇宙にも照準を定めています。

松村教授らは、惑星の表面にある岩石などを材料に使って、探査基地を造る研究を始めようとしています。



土ブロックの造り方は、次のような手順です。

まず、ミキサーを使って粘土、砂、砕石、酸化マグネシウム、水を練り混ぜます。

次に、鋼製の型枠内で突き固め、30分後に脱型します。

そして、3週間ほど養生します。

土ブロックは、レンガの5分の1ほどの強度ですが、組積造として問題なく使える強度です。

長年建物を支えてきたブロックを砕けば土に戻り、再び材料として使えます。



土ブロックを積み上げて造った壁は、高さが約3m、厚さが40cmあります。

壁の外側の表面には、浸透性の防水材を塗布しました。

山下氏は、「防水性を考えて、当初は壁面を2重にすることも検討したが、1重で問題ないと判断した」と言います。

土ブロックには、調湿効果や断熱効果などが期待できますが、建築主である30歳代の夫妻は、エアコンなしで今夏を乗り切ったそうです。

モダンで個性的な外観の住宅を希望した建築主は、「土で造りませんかと提案された時は、ショックを受けた」と振り返ります。

山下氏に設計を依頼してから2年半後、素材の研究から始まった住宅は、ようやく完成しました。

建築主は、「1つずつ表情が違う土ブロックにトップライトの光が差し込むと、まるで教会に居るような感覚になる」と満足げです。



土ブロックは、宇宙へと続く未来を開拓できるだろうか?

カタログから建材を選ぶ時代に別れを告げ、新素材を自ら発掘したり、新たな使い方を提案したりする時代が来るのだろうか?

環境を大切にする社会的要求の高まりと共に、自然に優しい建材も必要になっています。



★ランキングに参加中です。
↓ポチッと押して下さると嬉しいです♪


★ランキングに参加中です。
↓ポチッと押して下さると嬉しいです♪
人気ブログランキングへ 

スポンサーサイト

テーマ : 建築デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

土の家

確かに中世の民族建築のような感じがしますね。
内部を見ると、教会のようにも思えます。
壁の曲線に差し込む光が優しく感じられ、とても素敵です。
材料が、自然から生まれ、自然に帰ることが出来る土というのも素晴らしいですね。

No title

外国にある美術館や教会のような素敵な建物ですね。
これが土で出来てるなんて、ちょっと信じられない感じです。
自然に優しい材料で家を造るのは、とってもいいアイデアですね!

No title

フランス辺りにありそうな建物ですね。
見ていて、なんとなく温かみを感じます。
自然の中に建つと、更に似合いそうですね。

Re: 土の家

>MACさん
ゴツゴツして曲がった壁が、暖かみを感じさせ、それに当たった光が、とても優しく感じられます。
材料が、自然から生まれ、自然に帰ることが出来る土というのも、本当に素晴らしいですね。

Re: No title

>ショコラさん
レンガも土で出来た材料ですが、今回のブロックは、どこの土でも造れるというのが特徴なのかもしれません。
この材料が更に研究されて普及すると、住宅事情が少し変わるかもしれませんね。

Re: No title

>ジョンパパさん
そうですね。
フランスあたりにある教会や美術館のような建物ですね。
やはり自然の材料で出来た建材は、温かみがあり、自然に調和するように思います。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
FC2カウンター
人気ブログランキング