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九頭竜ダム



熊本県を流れる球磨川は「暴れ川」と呼ばれていて、その治水対策としてダム建設計画があったそうですが、建設によって水没する地域の人達の反対もあって計画は中止となり、その後は解決策が未定のまま今日に至っているといいます。

もしダムが建設されていたら、今回の水害は防げたか、あるいは被害を小さくすることができたのか分かりませんが、それは神のみぞ知ることなのかもしれません。

そんな熊本の被害状況を見ると、ミシェルのお父さんが子供だった頃を想い出します。

お父さんの実家があった福井県には、福井県と岐阜県の県境を源流とする九頭竜川(くずりゅうがわ)という一級河川が流れています。

鮎釣りが有名で、お父さんが子供の頃は、よく九頭竜川で泳ぎました。

しかし、台風シーズンになると、毎年のように川が氾濫して、時には、お父さんの実家の方まで浸水することがありました。

その後、福井県と岐阜県の県境近くに九頭竜ダムが建設され、それ以来、川の氾濫は無くなりました。



上の写真が、九頭竜ダムです。

九頭竜ダムの建設によってできた九頭竜湖とその周辺の景色は美しく、特に秋の紅葉シーズンは絶景です。

お父さんが車で実家に行く時は、この美しい景色を見る為に、好んで九頭竜ダムの横を通る国道158号を利用します。



今では美しい自然に囲まれた九頭竜ダムですが、建設以前には、水面下でドロドロした人間模様が繰り広げられたようです。

その詳細は、石川達三の長編小説「金環蝕(きんかんしょく)」に描かれていますが、1975年に山本薩夫監督によって映画にもなりました。



電源開発が計画した九頭竜ダム建設の第一工区は、指名競争入札が行われました。

その結果は、41億円の最高額で入札した鹿島建設が落札し、間組、熊谷組、西松建設、前田建設工業の4社は最低落札価格よりも低い金額ということで失格となりました。

[九頭竜ダムの第一工区の入札結果]
・電源開発の想定金額: 44億9000万円
・最低入札価格: 41億835万円
・鹿島建設: 41億3800万円
・間組: 40億980万円
・熊谷組: 40億200万円
・前田建設工業: 39億9600万円
・西松建設: 39億7800万円

落札した鹿島建設だけが最低入札価格をわずかに上回り、他の4社は最低入札価格をわずかに下回るという、不自然とも思える結果になりました。

当然のように、「政界の爆弾男」と言われた田中彰治議員が国会で追及し、ジャーナリストの倉地武雄も真相を追求しました。



1964年10月にアングラ情報誌「マスコミ」(言論時代社刊)が、「藤井電発前総裁が在任中から鹿島建設と繋がりがあり、自民党総裁選で巨額借金をした池田勇人首相に謎の政治献金5億円」といったニュアンスの記事を掲載しました。

12月には、ダム建設による水没補償問題関して、水没鉱山主の依頼により、「政財界の黒幕」と言われた児玉誉士夫と読売新聞記者だった渡辺恒雄(当時39歳)が電発との仲介役として暗躍し始めました。

新聞記者の渡辺が暗躍するというのも変な話ですが、当時の渡辺は、自民党の大物議員であった大野伴睦の番記者で、自民党政権と強い繋がりを持っていたのです。

そして、渡辺は大野伴睦の依頼を受けて、自民党総裁や衆議院議長ポスト獲得交渉の代行や自民党政治家のゴーストライターとして週刊誌の論説の執筆まで引き受けていたというから驚きます。

渡辺は、自民党の大物議員に深く食い込むことによって、読売新聞のトップにまで上り詰めたのでしょう。

一方で、読売新聞が、自民党政権の御用新聞に成り下がった理由の一端が解るような気がします。



1965年2月には、中林恭夫(池田勇人首相秘書官、大蔵省証券局課長補佐)が、官舎屋上から転落という謎めいた死をとげました。

3月には、倉地武雄言論時代社社長と藤井電発前総裁が、衆院決算委員会で参考人質疑を受けました。

4月には、九頭竜ダムの工事が着工しました。

そして、疑惑追及していた倉地武雄が、彼の三男に絞殺されるという不可解な事件が発生しました。

そんな生臭い出来事のあと、1968年6月に九頭竜ダムは完成したのです。

結局、事件としては何も立件されず、美しい自然に囲まれた九頭竜ダムは、今も洪水調節と発電の役割を果たしてくれています。



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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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興味深い話です

本当に美しい景色で、ここを舞台に人間の生々しい水面下の動きがあったとは信じられないくらいです。
読売新聞のナベツネが、ここても暗躍していたことも驚きでした。
今日のブログを読んで、金環蝕を読んでみたくなりました。

Re: 興味深い話です

>グレースパパさん
仰るとおりです。
読売新聞のナベツネは、若い頃にジャーナリストとしての魂を悪魔に吸い取られてしまったのでしょうね。
そんな輩ほど出世するから、日本の新聞社やテレビ局は駄目になってしまったのかもしれません。
金環蝕には当事者しか知りえないようなことまで書かれており、石川達三さんの取材能力には脱帽します。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

2018.5.5永眠、享年14歳10ヶ月

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2020.11.08、享年11歳3ヶ月

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

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