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練上げ陶芸



先日、偶然に見たテレビ番組で、ロシアの主婦が「練上げ陶芸」に魅せられて、少ない情報を頼りに自作していることを知りました。

陶芸に詳しくないミシェルのお父さんは、最初「練上げ陶芸って何だ」と思ったのですが、番組が進むにつれて、その魅力に引き込まれていきました。

「日本に行って、練上げ陶芸の勉強をしたい」と願っていたアレクサンドラさんは、番組の招待で日本を訪れることができたのですが、日本に着いて彼女が最初に向かったのは、練上げ陶芸の大家である松井康成さんの作品が展示されている美術館でした。

松井康成さんの作品を見て、アレクサンドラさんと同じように、ミシェルのお父さんも、その美しさに大いに感動しました



松井康成さん(1927年5月20日- 2003年4月11日)は、国の重要無形文化財「練上手(ねりあげで)」の保持者で、人間国宝でもある陶芸家です。

長野県の佐久市で生まれ、戦時中に茨城県笠間市に疎開されました。

明治大学文学部を卒業した後、地元の月崇寺の住職の娘さんと結婚し、住職になります。

そして、住職を務めながら、33歳で境内に窯を築いて本格的に作陶を始められました



最初は、中国・日本・朝鮮古陶磁の習作を作っていましたが、1966年に栃木県佐野市で活躍していた田村耕一さんに教えを請います。

田村さんは、松井さんの「練上げ」の才能を見抜き、そこに特化するよう助言をしたといいます。

まさに「天才は天才を知る」ということなのでしょう。

その転機から数年後、1971年の日本伝統工芸展で、松井康成さんは「日本工芸会総裁賞」を受賞されました。

更に、1973年の日本陶芸展では「最優秀賞・秩父宮賜杯」を受賞し、その才能が広く認められるようになります。



練上手(ねりあげで)と呼ばれる陶芸は、異なる色の粘土を練り合わせ、その伸び縮みで模様を表す技法です。

異なる色の粘土板を何層か重ねて切っていきますが、この切り取った粘土板を型に押し込んで成形するか、手びねりで粘土を立ち上げて成形します。

ロクロで成形すると模様が流れてしまうので、基本的に手びねりで成形するのが一般的です。



しかし、松井康成さんの創意工夫は、ロクロ成形と色鮮やかな顔料に見られます。

先述したように、練上げはロクロを使うと模様が流れてしまうのですが、松井さんはロクロに円筒を置いて粘土を巻き付け、模様を整えました。

そして、円筒を抜き取ってロクロを回し、遠心力を使って内から外へ素地を膨らませたのです。

加えて、少量で鮮やかに発色する顔料を使い、同根異色の土を作ることにも成功しました。



通常の陶器は、ロクロを使って粘土を成型し、その外側に絵を描いて焼き上げます。

しかし、練上げで作る陶器は、模様が内側にも外側にも表れ、その模様の形も整形ではありません。

いびつになった模様の自然さが、練上げの魅力と言っても良いかもしれません。

松井康成さんの作品を見た後、アレクサンドラさんは瀬戸市の陶芸家の家で「練上げ」の勉強をさせてもらい、ロシアに帰国しました。

ロシア人であるアレクサンドラさんが、日本の伝統工芸である「練上げ」に魅せられ、ロシアで自作するというのは、誠に興味深いことだと思います



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テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

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美しい

本当に美しく、私も感動してしまいました。
絵付けをする一般的な陶器とはかなり違う感じがします。
外側の模様が内側にも表れるというのも素敵です。

Re: 美しい

>COCOさん
COCOさんも感動されましたか。
仰るとおり、一般的な陶器とはかなり異なり、外側の模様が内側にも表れるという点が素敵です。

もう一度・・・

私も観ていました(^^;
日本の伝統工芸を、今一度見直してみたいです。
継承者がいない理由で、無くなっていく事も多いと聞きます。
国は伝統工芸文化を守る事に、もう少し力を注いで欲しいと思います。

Re: もう一度・・・

>ワンコが好きさん
日本の伝統工芸の中には、本当に素晴らしいものがあると思います。
それを日本人が大切にせず、外国人が勉強している例も多々あり、日本人も考える必要があるように思えます。
仰るとおり、国も伝統工芸文化を守る事にもっと注力すべきだと思います。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

2018.5.5永眠、享年14歳10ヶ月

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
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 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

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