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フェア・ゲーム



本日は、映画の話題です。

映画の題名は「フェア・ゲーム」で、2010年に封切られました。

アメリカがイラク戦争に至った経緯にも関連する「プレイム事件」を描いた事実に基づいた映画です。

元外交官のジョゼフ・ウィルソンさんの回顧録「The Politics ofTrut」と、彼の妻ヴァレリー・プライム・ウィルソンさんの回顧録「Fair Game」に基づいて映画は作られました。

イラク戦争開戦の理由とされた「イラクの大量破壊兵器所有」が、アメリカ政府のでっち上げた嘘だったら・・・。

国のリーダー達が、国民に真顔で嘘をつき、そのせいで愛する人が犠牲になったとしたら・・・。

そんな信じられないようなテーマが、映画「フェア・ゲーム」の軸になっています。



2001年の9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件をきっかけとして、アメリカはイラク戦争に向けて一気になだれ込んでいきます。

ブッシュ大統領(当時)を含めた国のリーダー達が、テレビを通じて「イラクは悪の根源である!」と、連日のように国民に訴えていました。

当時のアメリカ国民にとって、タリバンとアルカイダ、ビンラディンとサダム・フセインの関係を理解している人は非常に少なく、イランやイラクなど一体誰がテロ事件の首謀者なのか全く不明で、ひたすら困惑している状況でした。

しかし、そのような国民の状況は、当時のブッシュ政権にとって、イラク戦争開戦を推し進めるには非常に好都合だったのです。



イラクの核兵器用ウラン購入疑惑と核兵器製造用アルミ管所有疑惑が持ち上がった当時、ヴァレリー・プレイム・ウィルソンさんはCIAの大量破壊兵器拡散防止部門の諜報員として、その疑惑が真実であるか否か調査していました。

そして、元イラク大使代理で元ガボン大使でもあったジョゼフ・ウィルソンさんもCIAから調査協力を依頼され、ガボンに行ってウラン取引が事実であるか否かを確かめます。

外交官当時の豊富なコネを利用して、ウィルソンさんがたどり着いた調査結果は、「疑惑の真実性は無し」というものでした。

また、CIAの調査メンバー達の見解も、「イラクの大量破壊兵器疑惑を裏付ける確証は無い」というものでした。

しかし、これらの調査結果や見解は、ディック・チェイニー副大統領(当時)の側近達によって揉み消されてしまいます。



イラク戦争開戦の黒幕は、ディック・チェイニー副大統領だったと言われているようです。

ジョージ・ブッシュ大統領は、往々にしてチェイニー副大統領の政策を国民に紹介する為のスポークスマン役に過ぎなかったとも言われています。

当時の大統領周辺のスタッフは、PBS(公共放送)のドキュメンタリーで「大切な法案は、大統領のオフィスからよりもチェイニー副大統領のオフィスから出てくることの方が多かった」と証言しているほどです。

ディック・チェイニー副大統領は、1995年~2000年当時、世界最大の石油採掘機販売会社「ハリバートン」のCEO(最高経営責任者)を務めており、湾岸戦争とイラク戦争で同社に巨額の利益をもたらしたと言われています。

父親のブッシュ元大統領へのコンプレックスを抱え、自分も一旗揚げたいと思っていた息子のブッシュ大統領は、大した外交経験も無く、チェイニー副大統領にとっては格好の操り人形だったのかもしれません。(誰かに似ている

9.11同時多発テロ事件は、チェイニー副大統領にとって私腹を肥やし、自分の力を行使する絶好のチャンスとなりました。

そして、周囲を優秀だけど骨抜きの言いなり官僚達で固めると、イラクには大量虐殺兵器があり、核兵器を製造する為のアルミ管とウランも購入しているという偽の情報をCIAにつかませたとも言われています。(これも似ている



ジョゼフ・ウィルソンさんが、ブッシュ政権のイラク戦争遂行に批判的であったことを不快に思っていたチェイニー副大統領と側近は、イラク戦争批判を潰すための世論誘導として、ウィルソン夫妻を「フェア・ゲーム(かっこうの的)」へと仕立てあげ、妻のヴァレリー・プライム・ウィルソンさんがCIAの諜報員であることも世間にリークしてしまいます。

しかし、ジョゼフ・ウィルソンさんは政府の弾圧に負けることなく、「ブッシュ政権が不当な疑惑をでっちあげ、イラク戦争を肯定しようとしている」というコラムをニューヨークタイムズ紙に寄稿し、世論に訴えました。

一国民が、巨大な権力を有する政府に対抗することは、言葉では言い尽せないほどの困難に遭遇します。

この映画は、そんな巨大な権力に対抗して正義を貫き、真実を語り続けた夫婦の絆と行動を描いています。

この映画を観て、ミシェルのお父さんは、嘘をでっちあげてイラク戦争を開戦したブッシュ政権と、数を頼りにやりたい放題をしている安倍政権が、何故か見事に重なっているように思えました。

愚かな人間達が巨大な権力を握った時、国が間違った方向に動いてしまうことは、過去の歴史を見ても明らかです。


補足:

イラクがアフリカからウランを購入した証拠とされる契約書についても、核兵器製造用のアルミ管についても、国際原子力機関の鑑定で「契約書は稚拙な偽物であり、アルミ管は核兵器製造用ではなくてロケットエンジン用である」と断定されました。

また、ヴァレリー・プレイム・ウィルソンさんがCIAの諜報員であることを世間にリークしたチェイニー副大統領の首席補佐官であったルイス・リビーは、「情報部員身分保護法違反」などの罪で起訴され、2年6ヶ月の実刑判決を受けました。

しかし、ブッシュによる大統領権限で「保護観察」と「罰金刑」に減軽され、更に2018年にドナルド・トランプ大統領によって恩赦を受けました。



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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

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No title

この映画は大変興味があったのですが、見逃してしまいました。
今回の記事を見て再び興味がわいたので、レンタルDVDを借りようと思います。
それにしても、嘘をでっちあげてイラクを侵略したブッシュ政権は許せません。
結局、大量破壊兵器は無かった訳ですが、ブッシュ政権が国際裁判にかけられないのが不思議です。
ブッシュ政権の利権の為に犠牲になったイラクの人達や戦死したアメリカの兵士達が哀れです。
愚かな人間が巨大な権力を握った為に国が誤った方向に進んだ典型的な例ですが、森友学園や加計学園などで嘘をつき続ける安倍政権と官僚にも同じことが言えるような気がします。

No title

今の安倍政権を見ていると、国民のことよりも、党利党略、私利私欲、お友達優先、アメリカ優先などで動いているようにしか思えません。
今も、200人以上の国民が豪雨被害で亡くなられたというのに、くだらないカジノ法案や参議院の6議席増などというものを可決されるのに躍起になっています。
国民に嘘をついてまで自分達の都合の良いことばかりに熱心という意味では、安倍政権もブッシュ政権も同じ穴の狢のように思えます。

Re: No title

>KENTさん
仰るとおり、アメリカのみならず世界に対して嘘をついてイラク戦争を始めたブッシュ政権は許せません。
その為、多くのイラク国民とアメリカ兵士達が亡くなりました。
本来なら、裁判にかけられて罰せられるべきだと思います。
国民に嘘をついて、自分や党の利益を得る構図は、まさに安倍政権も同じです。
このような卑劣な人達には、政治の世界に居て欲しくありません。

Re: No title

>ジョンパパさん
ジョンパパさんが言われるとおりです。
本当にくだらないカジノ法案や参議院の6議席増などの為に膨大な税金を無駄遣いしているかと思うと、強い怒りを感じます。
カジノなどできると、ギャンブル依存症の人間が増え、またまた不幸な出来事が多発することは明らかです。
また、日本だけでなく海外からもマフィアが乗り込んできて、治安が更に悪化するものと思います。
どうして、日本には、こんなにも馬鹿な政治屋が多いのでしょうか。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

2018.5.5永眠、享年14歳10ヶ月

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2020.11.08、享年11歳3ヶ月

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

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