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神になった日本人



上の人物は、ネパールのムスタンの人々に「神様」とまで崇められる近藤亨さんです。

近藤さんは、1921年に新潟県で生まれ、新潟大学農学部助教授を経て新潟県園芸試験場の研究員となり、1976年(55歳の時)には国際協力事業団 (JICA) から植樹栽培専門家としてネパールに派遣されました。

定年を迎えて、近藤さんは日本に一時帰国されるのですが、平均寿命45歳と言われるムスタンの人々を救うべき、なんと70歳で再びネパールへと赴いたのです。

この決断には、さすがに御家族も驚き、友人も「奥さん娘さんと一緒に人並みな家族生活を営んだらどうか」と諭すのですが、近藤さんの決心は変わりませんでした。

しかも、ムスタンでの活動費捻出の為に、先祖伝来の家や山林まで手放したのです。

そんな近藤さんの崇高な目的を受け入れ、応援された御家族にも驚嘆します。

1991年6月18日、御家族が見送る中を、近藤さんはムスタンに向けて旅立ちました。

その日は、近藤さんの70歳の誕生日でもありました。



ムスタンはネパールの奥地にあり、ヒマラヤ山脈の北側に位置しています。

標高約3,000~4,500メートルの高冷地で、毎秒10~20mの強風が1年中吹き荒れます。

更に、年間降雨量が100~150ミリという超乾燥地帯でもあり、世界でも最も農業に不向きな場所の一つです。

近藤さんが初めてムスタンを訪れた当時、住民が主食としていたのは、裸麦、ライ麦、ソバだけで、それらが無くなると、川辺の雑草を食べていました。

肉や白米は、冠婚葬祭の時にしか食べられません。

当然のごとく栄養は偏り、ムスタンの平均寿命は45歳という低さでした。

また、ムスタンには、病院や学校もありませんでした。



ムスタンの貧しさを救うべく、アメリカの自然保護団体が5年の歳月と巨費を投じて植林を試みましたが、失敗に終わりました。

ネパール政府もリンゴ栽培や畜産などの農業振興に取り組みましたが、やはり厳しい気候条件の為に失敗しました。

そんな極貧の地ムスタンの為に、近藤さんは米を作ろうと考えたのです。

その為には、大量の水が必要でした。

近藤さんは周囲にそびえる雪が積もった山々を見て、その雪解け水を利用しようと考えました。

しかし、最も近い水源まで5kmもありました。

近藤さんは、ムスタンの人達に協力を呼びかけましたが、誰一人として手伝う人はいませんでした。

結局、70歳の近藤さんは、一人で標高3000m以上の高地を水源まで登り、パイプを施設することにしたのです。

そして、何度も高山病の為に倒れましたが、少し回復する度に、作業を継続しました。

そんな近藤さんを見て、ムスタンの人達は手伝いを申し出て、「高齢のあなたは休んでいなさい」と言いました。



そんな近藤さんの努力の結果、ムスタンで米が栽培できるようになりました。

稲は元々熱帯性植物で、高地栽培は、日本でも新潟や長野などでの標高1,000mが限界でした。

約3000mの高地での稲作は、世界最高地での記録となりました。



近藤さんは、更にムスタンの人々の生活を豊かにする為に、老体に鞭打ちました。

リンゴなどの果樹栽培にも挑戦し、成功させたのです。

魚の養殖にも取り組み、これも成功させました。

そして、病院を建設し、子供達の為に、17年かけて計17校もの学校を建設しました。



ムスタンで近藤さんを知らない人はいません。

近藤さんがどこに行っても、子供からお年寄りまで「近藤バジェ(おじいさん)、ナマステ(こんにちは)」と笑顔で挨拶してきます。

そして、ムスタンの人達は「私達は、近藤さんに救われました。私達にとって、近藤さんは神様のような人です」と語ります。

そんな近藤さんは、2013年、ネパール政府から最高栄誉である「スプラバル・ジャナセワスリー1等勲章」を外国人として初めて授与されました。

近藤さんは「真の国際協力は深い人間愛であり、決して物資や金品の一方的供給ではない。支援を受ける人々が心から感謝し、自らが立ち上がる努力をはらう時、初めてその真価が現われるのである」と語っています。

近藤さんは90歳を過ぎてもムスタンの人々の為に働きましたが、2016年6月9日、肺炎の為に東京都青梅市の病院で亡くなりました。(享年94歳)

ムスタンの人々は、近藤さんの遺骨を分けてもらい、お墓を作りました。

そのお墓には、「ムスタンの人々は、決して近藤さんのことを忘れない」と書かれています。



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テーマ : 生き方
ジャンル : ライフ

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No title

今日のブログで近藤さんのことを初めて知りましたが、その偉大さにただただ感嘆しました。
近藤さん御自身はもとより、近藤さんを支えた御家族にも感服いたします。
私は、近藤さんのような方こそ国民栄誉賞に値するのではないかと思います。

Re: No title

>KENTさん
近藤さんは、本当に偉大な方だと思います。
普通は、自分の幸せだけ考えがちですが、他の人の為に自分の全てをつぎ込むなんて、そうそう出来ることではありません。
近藤さんを支えた御家族も、本当に偉大だと思います。
KENTさんが仰るように、カリーノパパも近藤さんのような方こそ国民栄誉賞に値すると思います。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

2018.5.5永眠、享年14歳10ヶ月

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

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