負の連鎖



国民の疑惑を呼んでいる「森友学園」と「加計学園」の2件の問題には、背後に首相側近や官僚の「忖度」が存在しているのではないかと言われています。

忖度とは、辞書に「他人の心を推し量ること」と書かれており、必ずしも悪いことではありません。

しかし、悪事と知りながら忖度して手を貸し、そこから何らかの利益を得ようとするなら、これは明らかに犯罪です。

そんな森友学園や加計学園の問題に触れると、ミシェルのお父さんは、小説に書かれた一場面を想い出します。

その小説とは、石川達三さんが書かれて1966年に発表した「金環蝕(きんかんしょく)」です。

金環蝕は、実際にあった出来事をモデルにして書かれており、当時の自民党総裁選挙(池田勇人と佐藤栄作)に絡む談合と政界汚職の状況が大変リアルに描かれています。(上の写真は、映画化された時のポスターです)



上の写真は、福井県と岐阜県の県境近くにある九頭竜ダムです。

政界汚職の舞台となったのが、ミシェルのお父さんの実家がある福井県の九頭竜ダムであり、その工事を請け負ったのが、お父さんが勤めていた鹿島建設だったこともあり、この小説は、より印象深く記憶に残っています。



上の写真は、九頭竜ダムの建設によってできた九頭竜湖です。

この辺りは自然が豊かな所ですが、秋の紅葉が美しい場所としても有名です。

一方で、九頭竜湖の湖底には、和泉村の家屋が静かに眠っています。

その補償の仲介役を依頼された児玉誉士夫は、若手国会議員だった中曽根康弘や読売新聞政治部記者だった渡邉恒雄を使って暗躍したと言われています。



小説の中では、星野官房長官(元大蔵官僚の黒金泰美官房長官がモデル)の秘書・松尾が、財部電力開発総裁(ダム工事の発注元、藤井崇治電源開発総裁がモデル)を訪れ、寺田首相夫人(池田勇人首相夫人がモデル)の名刺を手渡します。

その名刺には、「竹田建設(鹿島建設がモデル)のこと、私からも宜しくお願い申し上げます」と書かれていました。

実際には、首相の意向であったことは言うまでもありません。

それを見た財部総裁は、これを「命令」と忖度します。

しかし、財部総裁は、この頃、九頭竜ダムの建設工事を何かと世話になっていた青山組(間組がモデル)に請負わせようと画策していました。



そのことを察知した竹田建設は、星野官房長官に接触し、対策を協議します。

その後、財部総裁は、電力開発の所轄官庁である通産省の大川大臣(桜内義雄通産大臣がモデル)から引導を渡されて辞任し、後任総裁として寺田首相と同郷の松尾芳之助(吉田確太電源開発後継総裁がモデル)が就任します。

九頭竜ダム建設の第一工区は指名競争入札で行われ、当時の金額で41億円の最高額で入札した竹田建設が落札し、青山組他3社(熊谷組、西松建設、前田建設がモデル)は、入札価格が発注元で設定した最低落札価格に達していないという理由で失格となります。

小説では、政治献金として、5億円が竹田建設から星野官房長官に手渡されます。


金環蝕は50年以上も前に書かれた小説ですが、首相の意向を側近や官僚達が忖度する構造は、今も連綿と続いているように思えます。

そして、例え直接的に命令や要請をせずとも、己の地位や権力を利用して忖度させ、他の人達を思うがままに動かすやり方は、許しがたい「悪のテクニック」と言えるのかもしれません。

このような負の連鎖は、一刻も早く断ち切るべきではないでしょうか。



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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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No title

池田勇人首相夫人の名刺の場面は、確かに森友学園問題と重なって見えます。
首相が直接命令や要請をしなくても、相手が首相の意向を忖度するというのもよく解ります。
人事権を内閣に握られてしまっている今は、官僚は余計に忖度せざる得ないのでしょうね。

Re: No title

>デュークパパさん
森友学園でも安倍首相夫人への忖度が話題になりましたが、内閣に人事権を握られている官僚としては、やはり首相夫人を無視することはできないでしょうね。
むしろ、首相夫人に気に入られ、更には首相に地位を引き上げてもらいたいと考えるのが普通でしょうね。
首相が直接命令や要請をしなくても、官僚が首相の意向を忖度するというのは自然の流れでしょう。
内閣に権力を集中し過ぎた弊害が出ているように思います。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
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 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
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