全英オープン2016(続編)
上の人物は、スウェーデンのヘンリック・ステンソン選手(40歳)です。
3日目を終えて、12アンダーで首位に立ち、悲願のメジャータイトルに王手をかけました。
強い風と時折打ち付ける雨に対して、彼は「爽やかな風じゃなかったかな?」と冗談めかして語っています。
2013年には、ヨーロッパとアメリカの両ツアーで年間王者となったステンソン選手ですが、まだメジャータイトルは獲得していません。
メジャータイトルに最も近づいたのは、2013年にミュアフィールドで行われた全英オープンで、この時は2位でした。
そして、この大会で優勝したのは、今大会で優勝を争っているフィル・ミケルソン選手でした。
普段は殆ど笑顔を見せることもなく、紳士然としたステンソン選手ですが、かって池の水際に入ったボールをパンティ1枚だけの姿になって打ったこともあるガッツの持ち主です。
上の人物は、アメリカのフィル・ミケルソン選手(46歳)です。
3日目を終えて、11アンダーで2位につけ、2回目の全英オープンの優勝を狙っています。
もし優勝すれば、46歳32日での優勝となり、1867年に優勝したトム・モリスの46歳102日に次ぐ2番目の年長記録となります。
しかし、トム・モリスが優勝した当時の全英オープンは、3日間競技で出場者が10人だったことを考えると、ミケルソン選手の優勝は画期的な出来事と言えそうです。
ミケルソン選手が初めて全英オープンに優勝したのは、43歳の時でした。
40代を過ぎても活躍できる秘訣ついて、ミケルソン選手は「2つのことがある」と、次のように語っています。
1つ目は、過去に優勝していることで、他の多くの選手のように優勝することに重圧を感じてないこと。
2つ目は、年齢と自分の体を理解しており、全盛期だった10年前から体重を25ポンド(約10キロ)シェイプしたことで体の状態が良くなり、当時のようなショットが打てるようになったこと。
3日目のプレイで圧巻だったのは、バックスイングができないようなブッシュの間際にあるボールに対して、見事にグリーン近くまでボールを運んだプレイでした。
この信じがたいほどの超絶プレイを見て、解説していた青木功さんが、思わず「すごい身体が熱くなっちゃったよ
」と驚嘆されていました。
若い20代の選手達の活躍が目立つ最近のゴルフ界ですが、ステンソン選手やミケルソン選手の活躍は、ミシェルのお父さんのような年寄りにも勇気と希望を与えてくれます。
一方で、日本人選手は、出場した8人中2人が予選を突破しましたが、3日目の池田選手は7オーバー(通算7オーバー、65位)、市原選手は7オーバー(通算11オーバー、80位)と、共に大苦戦でした。
実力的な差もありますが、前回の記事で記したように、大会に対する心構えにも問題があるように感じます。(ステンソン選手もミケルソン選手も、全英オープンの前週にリンクス・コースで開催されるスコティッシュ・オープンに出場し、事前に全英オープンへ備えています)
上の写真は、全英オープンの優勝トロフィです。
一般的には「クラレット・ジャグ(the Claret Jug)」と呼ばれていますが、正式名は「ゴルフ・チャンピオン・トロフィー」です。
ちなみに、「クラレット」はフランス・ボルドー地方で作られる辛口の赤ワインの銘柄で、「ジャグ」はジョッキのことです。
すなわち、「クラレット・ジャグ」とは、ワインを飲むジョッキを意味しているのです。
初めて「クラレット・ジャグ」が製造されたのは1873年で、それ以前の優勝者達は、「チャンピオンベルト」と呼ばれるモロッコ製の革ベルトを授与されていました。
「クラレット・ジャグ」には、歴代の優勝者達の名前が彫られていますが、最初に名前が刻まれたのは、1872年の優勝者であったトム・モリス・ジュニアでした。
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コメントの投稿
No title
確かに実力の差もあるのでしょうが、プロとしての心構えの問題も大きいのかもしれません。
それと、普段から易しい日本のコースばかりでプレイしていることも、海外の難しいコースに太刀打ちできない原因のように思えます。
Re: No title
もう少し頑張ってくれるかと思いましたが、想像以上に苦戦しましたね。
仰るように、実力の問題もあるのでしょうが、大会2日前に会場到着という心構えの問題も大きいと思います。
現地で観戦した丸山茂樹プロも「日本には、もう少しタフなコースが必要」とコメントしていました。