マンション問題について思うこと



上の完成予想図は、ショッピングセンターの「ららぽーと横浜(手前側)」と杭工事が問題になっているマンションの「パークシティLaLa横浜(奥側)」です。

ミシェルのお父さんは建築の専門家なので、今回のような出来事は、非常に残念に思います。



上の完成予想図は、不適切な杭工事が原因で、建物の一部が傾いているパークシティLaLa横浜です。

2006年当時の販売用パンフレットには、「見えない部分こそ、高い信頼性」と書かれてあったそうですから、今回の問題は何とも皮肉です。

もっとも、日本のマンション販売用パンフレットには、夢のような言葉ばかりが記載されていますから、話半分に理解する必要があるのかもしれません。



施工を担当した旭化成建材の説明によると、問題になっている杭工事は「ダイナウイング工法」だったそうです。

上の図は、その「ダイナウイング工法」の手順を示していますが、この工法の主な特徴は、次のような内容です。

1.従来の工法に比べて、排出土量が少ない。(約7割減)

2.従来の工法に比べて、強度が高い。(約3倍)

しかし、実際には「ダイナウイング工法」ではなかったという噂もあり、真実は闇の中です。

パークシティLaLa横浜は12階建てですが、ミシェルのお父さんは、海沿いに建つ湾岸タワーマンション(20階建て以上)の方が、もっと気になります。

マンションを販売する不動産会社の営業担当者は「このマンションは、100mもの杭を打ってあります」とか言って安全性を強調しますが、建設場所は基本的に埋め立て地が多く、かつ震度6以上の地震で長大な杭がどのように挙動するのか実際には経験していないのです。

東北大震災の時も、都心近くでは地盤の液状化問題が発生しました。

液状化した地盤で、果たして長い杭がどのようになるのか・・・。

杭の問題だけではありません。

これまでの建物は、地震に対して主に短周期のチェックがなされていましたが、長周期のチェックがおろそかにされていました。

長周期は、人間には感じにくい揺れなのですが、建物を大きく揺り動かす力が働きます。

その為、高層建物程その影響を受けやすく、場合によっては、大きなダメージを受ける可能性があるのです。

また、地震時、エレベーターは自動停止してしまいますが、タワーマンションの高層階に住む人達にとっては、致命的な問題にならないとも限りません。



阪神大震災以降、日本の構造設計基準が見直されました。

単純な言い方をしますと、鉄筋の量が以前よりも増えました。

大型のビルやマンションの基礎部分では、上の写真のように、極めて鉄筋量が多いケースも見られます。

浩造計算上は耐震性が高くなりますが、工事を行う人達からすると、これは厄介な問題を抱えています。



鉄筋が多過ぎて隙間が少なくなり、コンクリートを緊密に充填することが難しくなるのです。

その為、コンクリートの水量を増やして流動し易くする方法がありますが(通称:シャブコン)、これは、コンクリートの品質を低下させてしまうのです。

また、コンクリートが流動し易くする為に、バイブレーターを使ってコンクリートに振動を与えますが(青いヘルメットの人が行っている作業)、これが過度になると、コンクリートの分離が生じてしまいます。



コンクリートが上手く充填できていないと、上の写真のように、コンクリートの中に隙間ができてしまい(通称:ジャンカ)、構造計算で想定した強度を確保することができません。

ひどい場合は、砂利だけではなく、鉄筋が露出してしまうこともあり、そうなると、破壊して再度コンクリートを打設し直す必要があります。

しかし、ジャンカ部分にタイルを張ってしまうと表面からは見えなくなってしまうので、マンションなどを購入する人が問題に気づくのは極めて難しくなります。

この他にも、今の日本は深刻な問題を抱えています。

団塊世代のベテラン社員が数多く退職してしまった建設会社は、人材不足に悩んでいます。

また、東北大震災の復興工事や東京オリンピックに向けた工事の増加などで、建設業界は深刻な職人不足に直面しています。

このような背景が、新たな欠陥工事を生む可能性が無いとは言い切れません。



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No title

建築の専門家であるカリーノパパさんの説明は解り易く、大変勉強になりました。
同時に、建築の問題は奥が深く、素人ではなかなか気づくことが難しいことも痛感しました。
今の日本が抱える問題が、更なる建築の問題を生み出す可能性がることに危機感を感じます。
品質管理が厳しいと思われる日本でさえこの有様ですが、中国の原発などは大丈夫かと不安になります。

Re: No title

>KENTさん
ありがとうございます。
仰るとおり、建築の問題や難しさは無数にあり、ここには書ききれません。
オリンピックや職人不足などで、これからも問題が発生する可能性は多分にあると思います。
中国の品質管理のレベルを考えると、中国の原発の安全性に不安を感じる人は多いでしょうね。
万一、原発から放射能が漏れだすと、被害は他国にも及びますから怖いです。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

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