お粗末の極み



上の写真は、2020年開催予定の東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の完成予想図です。

イラク出身で英国在住の女性建築家であるザハ・ハディトさんの設計です。

日本スポーツ振興センター(JSC)が主催した設計コンペによって最優秀に選ばれた案です。

ところが、1300億円の建設予算に対して、3000億円の建設費が見込まれることが判明し、大問題になりました。



そこで、JSCが、規模を大幅に縮小した上のような修正案を提示しました。

修正案の見積金額は1692億円と言われています。

日本を代表する建築家の一人である磯崎新さんは、その修正案について「当初のダイナミズムが失せ、列島の水没を待つ亀のような鈍重な姿に失望した。将来の東京は、巨大な粗大ゴミを抱え込むことになる」と批判しました。

ミシェルのお父さんも「全くそのとおり」と思い、かつ「修正案は、原案と似て非なるもの」と思います。

これでは、ザハ・ハディドさんも「自分の設計したものではない」と激怒されると思います。



上の写真の右側がザハ・ハディドさんで、右側が設計コンペの委員長を務めた建築家の安藤忠雄さんです。

設計コンペにおいては多々問題が指摘されることが多く、今回の設計コンペについても疑問が投げかけられています。

具体的には・・・

1.公共建物の設計コンペは参加資格を問わない「公開」が原則だが、今回の設計コンペは、スタジアムの設計経験や諸外国の建築家協会賞などの受賞履歴で応募資格を限定しており、実質的にはかなり閉鎖的な競技であった。

2.2012年7月20日の要項公開から同年9月25日の応募案提出期限まで約2ヶ月しかない異例の短期間コンペであった。

3.1等当選者を実施設計者とするのが設計コンペの原則だが、今回の設計コンペでは1等当選者を「デザイン監修者」とし、基本・実施設計者は別途公募で選ぶシステムが採られた。

4.審査経過報告が公表されていない。



最近のオリンピックは「極力、お金をかけない」という傾向があり、北京オリンピックのメインスタジアムは510億円、ロンドンオリンピックのメインスタジアムが640億円の建設費だったと言われています。

そのような傾向からすると、1700~3000億円という建設費は異常とも思えます。

先日、下村文科相が舛添都知事に対し「1692億円の建設費の内、周辺整備にかかる500億円を負担して欲しい」と要請しましたが、舛添都知事は「期限までに完成できるか不透明。情報が開示されていない」として、この要請に難色を示しました。

下村文科相は「期限までに完成させる為に、開閉式の屋根工事はオリンピック後に行う」と言ってますが、設計の確定や著作権の問題等、今後まだまだ解決すべきことが残っているように思えます。

加えて、東京オリンピックや新国立競技場などには、文部科学省、日本オリンピック委員会(JOC)、日本スポーツ振興センター(JSC)、東京都、スポーツ庁などが関わっており、まさに「船頭多くして、船山に登る」という状態であることも大きな問題だと思います。

日本の組織には、「口は出すけど、責任はとらない」という人が多いですからね。



大宅英子さん、やくみつるさん、久米宏さんを始め、今の日本には「そもそもオリンピックは不要。オリンピックよりも優先すべきことがある」という意見は多いように思います。

その一つが、福島第一原発の収束です。

安倍首相は、オリンピック招致の場で、世界に対して「福島第一原発の汚染水問題は、完全にコントロールされています」と大見得を切りましたが、実際には現在もコントロールできておらず、解決への方策も確立できていないのが実情です。

そして、依然として住む場所を奪われ、不便な仮設住宅暮らしを強いられている人達が大勢います。

オリンピックや戦争などの為に使う巨額な税金を、もっと東北の為に使えないものでしょうか?



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No title

さすがは建築家のカリーノパパさんです。
新国立競技場の問題点がよく解りました。
確かに今の日本には、新国立競技場に巨額な税金を投じるよりも、他に優先すべきことが数多くあるように思います。

Re: No title

>デュークパパさん
ありがとうございます。
国際的な設計コンペを行って、このような事態になるとは、日本の恥だと思います。
最終的には妥協の産物の国立競技場を造ることになるのでしょうが、恐らく造った後の維持管理で、また巨額な税金を使うことになるのだと思います。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

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