動物実験用ビーグル「グロミット」

スコットランド(エジンバラ)在住のやっこさんが、英国最大の犬のレスキュー団体「Dogtrust」が出版している雑誌「WAG」に掲載された記事を紹介してくれました。
記事の内容は、ある研究所からレスキューされた120頭もの実験用ビーグルについてです。
その内の1頭のビーグルの名前は、グロミット

記事は、グロミットの里親となった男性(仮に「ジョン」とします)とグロミットの関係についても書かれています。
やっこさんは、記事の内容を忠実に翻訳してくれていますが、今日は、グロミットの視点に立って、記事の一部を紹介させていただきます。
(多少の想像も入ることを御容赦願います)

ビーグル
(写真の犬は、記事とは直接関係ありません)

僕の名前はグロミット
僕を含めて120頭ものビーグルが、ある研究所で「実験材料」として飼われていました。
その研究所が閉鎖された後、僕たちは、レスキューされたのです。

里親となったジョンが、最初に僕に会いに来た時、彼は「どのビーグルも気が狂っているようだ」と感じたそうです。
僕は、ジョンの前で、石のように身動きもせず、魂の抜け殻のように何かを見つめていたのです。

僕は、生まれた時から、ずーっと狭い檻の中で暮らしてきました。
檻と実験室の中にしか居たことがないので、それ以外のものを見たことがありません。
草の生えた地面輝く太陽青い空などがあることを知らなかったのです。

僕は実験材料なので、一度も愛情を持って接してもらったことはありません。
僕の所に男の人が来て、檻から出される時は、いつも痛い目に遭う時です。
僕達の中には、「人間の為」という名目で、身体に癌細胞を植え付けられたり、皮膚を焼かれたりする犬もいます。
人間は、僕達にとって、「悪魔」以外の何者でもありません。

僕は、ジョンの家に行ってから2週間、ソファーにくっついたまま動けませんでした。
僕は、ジョンが近づくと、怖さのあまり、気が狂ったように吠えていました。
もう二度と痛い目に遭いたくなかったのです。

最初の半年間、僕は、ジョンの側に近づくことも出来なかったのです。
ただ、ジョンが、研究所に居た男の人達と違うことは、少しずつ解ってきました。
ジョンがうたた寝している時、僕は彼のことが気になって、見つめるようになりました。
でも、彼が目を開けると、途端に研究所での恐怖が甦ってしまうのです。

ある日、ジョンは、何かを決心したようでした。
ジョンの家には、2頭の先住犬が居たのですが、彼は、僕だけを散歩に連れ出したのです。

この出来事は、僕にとって大きな驚きでした。
ジョンと先住犬は、本当の親子のように仲がいいのです。
愛情というものを知らない僕には、入っていけない世界のように思いました。

それなのに、ジョンは先住犬を家に残して、僕だけを散歩に連れて行ってくれたのです。
この時、僕の心の中で、何かが弾けたように感じました。
僕には、それが何かは解りませんでした。

その日以来、僕は、ジョンが怖い人とは思わなくなりました。
その日以来、僕は、ジョンのベッドで眠れるようになりました。
その日以来、僕は、ジョンの奥さんの膝の上でくつろぐことができるようになりました。
その日以来、僕は、散歩を楽しみ、先住犬と庭で遊べるようになりました。

僕は、「家族」というものを知りません。
生まれた時から、狭い檻の中で過ごし、毎日、怖い目に遭ってきました。

でも、ジョンのお蔭で、全く違う世界があることを知りました。
それを知ってから、心が、とても軽く、暖かく感じるのです。
ジョンと奥さんを、「お父さん、お母さん」って呼んでみたくなりました。
もしかすると、これが「幸せ」とか「愛情」というものなのでしょうか。

僕は、これまで「生まれてこなければ良かった」と思い続けてきたのですが、今は「生まれてきて良かった」と思えるようになりました。

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テーマ : 犬との生活
ジャンル : ペット

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グロミット

読みながら涙が出てきてしまいました。
グロミットの気持ちが、とても切ないです。
今まで気づかなかったのですが、私達が普段使っている薬や化粧品には、グロミットのような動物の犠牲に支えられていたのですね。

Re: グロミット

> クリスママさん
ありがとうございます。
この記事を紹介してくれたやっこさんの願いでもあるのですが、このような事実を一人でも多くの人に知っていただき、グロミットが体験したのような悲しい出来事を繰り返さないことが出来るといいなと思っています。

ありがとうございます

グロミットの言葉が、声が ・・・
聞こえるようです。

カリーノパパさん、本当に、ありがとうございます。

世界中で、動物テストを懸念する人々が増える現在、
動物テストをしない会社も多くあり、きっと、
未来は、化粧品類に関しては、動物を使用した試験
はしないことが一般となるように思います。

薬品や医療開発に関しての動物使用の実験、試験は
まだまだでしょうが、それでも、動物ではなく
人間に使用するものは、人間で試す ・・・
という動きも、あるようです。

少しでも明るい未来に ・・・

本当に、ありがとうございます!!

動物実験

グロミットのような犬の立場になって考えると、本当に痛ましいことだと思います。
化粧品の中には、動物テストを行っていないと明記しているものもありますが、薬についても早くそうなって欲しいと思います。
知恵を出し合えば、きっと動物を使わない方法が見つかるのではないでしょうか。

Re: ありがとうございます

> やっこさん
グロミットのような不幸な犬がいることを教えていただいて、こちらこそ感謝しています。
私自身には力がありませんが、こういう事実を一人でも多くの人に知ってもらい、動物実験廃止に繋がっていけたらいいなと思います。
化粧品は、動物テストを行っていないケースもあるわけですから、数々の難題を解決してきた人類の英知を結集すれば、きっと動物実験を行わない方法が見つかるのではないでしょうか。
人間、動物、自然が共存できる世界が、やはり理想的ですよね。

Re: 動物実験

> アリスさん
人間の中には、人間に危害を加えない動物を傷つけたり殺したりする人がいますが、そういう人は、逆の立場になって、それがどれほど理不尽で痛ましいことか、自分で体験すべきだと思います。
その痛みを自分自身が知って、初めて他人に対しても優しくなれるのかもしれません。
グロミットのような犬の視点に立つと、一刻も早く、動物実験を行わなくても済む方法を見つけるべきだと思います。

動物実験

動物実験そのものも悲惨ですが、その動物達を収容しておく施設の中には、大変劣悪なものもあると聞いたことがあります。

Re: 動物実験

> ルイーズさん
ルイーズさんは、日本の実験動物の福祉のために命を捧げたイギリス人女性のアン・ロスさんを御存じですか?
王立動物福祉協会のメンバーでアニマルテクニシャンの資格を持ち、1969年に来日しました。
その当時、日本の実験動物の飼育状況は悲惨で、空調もなく衛生管理も行われておらず、中には餓死していく犬もいたそうです。
彼女は日本各地の国立大学をまわり、飼育方法や実験動物の扱い方を少しでも改善しようと尽力してくれたそうです。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

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