終わりの無い戦争


早朝から、「後藤健二さんが、イスラム国によって処刑されてしまった可能性が高い」というニュースが流れています。

もし報道の内容が事実だとしたら、誠に残念なことですが、ミシェルのお父さんは、この事件に関連して新たな懸念を感じています。

後藤健二さんの死に関連して、安倍首相は「テロリスト達を決して許さない。罪を償わせる為に国際社会と連携する。日本がテロに屈することは決してない」などと勇ましい言葉を述べましたが、その結果、どのようなことが起こり得るのか解っているのでしょうか?

天木直人元レバノン大使は、「安倍首相が米国主導の反イスラム国有志連合に正式に参加表明した場合、イスラム国のテロを覚悟しなければいけない。そうなれば、全ての機能がストップする。アベノミクスも改憲も原発再稼働も地方創生も何もかもできなくなる。国民生活はますます苦しくなる。」と指摘されています。

実際、イスラム国は、今回の声明で「安倍よ、勝てない戦争に参加するというお前の無謀な決断のせいで、このナイフはケンジを切り裂くだけでなく、どこであろうと、お前の国民が発見されれば殺戮を続けるだろう。日本にとっての悪夢の始まりだ」と宣言しています。

今後、万一、家族がイスラム国の関係者によって危害を加えられるようなことがあれば、お父さんは、直接危害を及ぼした犯人だけではなく、テロの口実を与えてしまった安倍首相と日本政府も許せないと思います。

このような事件が起きると、政府は自分達の無知・失敗・責任を棚に上げ、必ずと言ってもいいくらいに国民感情を自分たちの政策に利用しようとします。

第二次世界大戦やイラク戦争等々、そのような例は多々あります。

直接的な敵でもない人間を殺すイスラム国の蛮行は、決して許されるものではありませんが、長い歴史を持つ彼らの中にも、恐らく、日本人には理解しがたいような言い分があるのだと推察します。

日本エネルギー経済研究所中東研究センターの保坂氏は、「イスラム国の思想を理解するには、イスラムの基本的な思想、基本的な法学理論・政治理論を知らなければならない」と指摘されています。

安倍首相は、今回のイスラム国の行為を単なるテロと認識しているようですが、アメリカのヘーゲル国防長官は、イスラム国について「テロリスト集団の域を超え、イデオロギーと、戦略や戦術に長けた高度な軍事力、そして資金力がある。これまで目にしてきたどの組織とも違う 」と語っています。

ロイターの記者は、「イスラム国は、次世代を見据えて国家の仕組みを構築しており、シリア北東部にある町々においては、電気の供給、水の供給、銀行、学校、裁判所、礼拝所、パン屋に至るまでイスラム国によって稼働している。 現地住民は、イスラム国の勢力拡大の大きな要因は、効率的で極めて現実的な統治能力にこそあると語った」と話しています。

そして、イスラム国に批判的な活動家も、「イスラム国が、わずか1年足らずで近代国家のような構造を作り上げて来たことに言及せずにはいられない」と話しています。



歴史的には、「西欧列強国が、秘密裏に中東の古い秩序を根こそぎひっくり返してしまった」と言われる「サイクス・ピコ協定」と呼ばれている出来事がありました。



これは、第一次世界大戦中の1916年、イギリスがフランスやロシアと共に、オスマン帝国の領土を、アラブ人やクルド人などの現地住民の意向を無視して自分達の勢力圏を決める秘密協定を締結し、戦後、その協定に修正を加えて国境線を決めてしまったのです。

イスラム国は、目標の一つとして、この「サイクス・ピコ協定」の打破を掲げています。

中東の人達にとっては、日本の北方領土問題以上に根が深い問題かもしれません。



京都大学の岡真理教授は、アメリカやイスラエル等による空爆により、罪もない大勢の市民が殺されている問題も指摘されています。



岡教授は、「殺された大勢の市民やその家族にとっては、これは紛れもないテロ行為である」と語っておられます。

例えば、昨年7月8日、イスラエルはパレスチナ自治区ガザへの軍事作戦を開始し、50日間に及ぶ大規模攻撃によって2143人が死亡しましたが、その内の約7割が一般の市民でした。



岡教授は、「安倍首相は『中東の平和と安全の為にイスラエルと協力する』と言うが、中東の不安定の根源はイスラエルの存在である。その国と一緒にテロと戦うと宣言し、イスラエル向けの兵器を開発することは、イスラム国のみならず、他のイスラム過激派にも、日本人を標的にする口実を与えるようなもの」と批判されています。

更に「日本は原爆を落とされたが、復興を遂げ、世界に技術を提供してきた国としてイスラム圏では好印象を持たれていた。昔の自民党の政治家は、米国追従でもイスラエルとは一定の距離を置いていた。現在、そういう認識が欠落した安倍首相と政府が、イスラム圏との信頼関係を破壊している」と指摘しておられます。

テロや戦争は絶対に許されるものではありませんが、それを防ぐ為に軍事行動を起こすことは、更に新たなテロや戦争を呼び起こすことになり、永遠に悲劇は繰り返されるばかりです。

そして、社会に戦争の悲惨さを伝え、平和の大切さを訴えておられた後藤さんの死が無駄になってしまいます。



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No title

後藤さんが亡くなられて本当に残念に思います。
ご家族には、心よりお悔やみ申し上げます。
それにしても、今回の事件に関する安倍首相や政府の動きや発言には、不可解なことが多過ぎるように思います。
安倍首相の発言にしても、まるで国民の安全を無視しているとしか思えません。
今後の安全対策の為にも、今回の政府の動きや判断が適切であったのか、詳しく検証してもらいたいと思います。

No title

政府の発表やマスコミの報道は、自分達の都合の良い方向に偏っており、物事を正確・公平に伝えていないように感じます。
我々国民は、自らの力と判断で真実を追求する必要がありそうですね。

No title

集団自衛権に関する、阿部内閣のシナリオでは?と思ってしまうのですが・・・
政治などまったくわからないのですが・・・
これまでの安全で安心で平和な日本で無くなってしまうようなことだけにはなってほしくなかったのですが、どうやらそうではなくなりそうで怖いです。
今回の事、お亡くなりになった方には心からのご冥福をお祈りします。
しかし、行けば最悪どうなるか?わかっていて自分の意志で行かれたことに国家での救済??と疑問を感じてしまうのです。
たとえば、普通に安全な国を旅してた日本人が誘拐されたっていうんであれば救済は当然です。
でも今回はどうなんだろう?って。
最初に行った方が行かなければ後の方も行かなかったし、結果も違ったでしょうに・・・
イスラム国家も長い長い歴史の中で、ああなったっていう人もいて、よくわからないのですが・・・
世界が平和になることは、永遠に無理なのでしょうね・・・悲しい事ですね。
あと、後から無くなった方のお母様がどうにも理解できません・・・・申し訳ないのですが・・・

Re: No title

>デュークパパさん
湯川さんと後藤さんが拘束されたのは、昨年の8月と11月と言われていますが、今回大騒ぎになる以前は、全く政府の動きが見えません。
しかも、その間、政権維持だけの為の選挙に呆けていました。

今回は、湯川さんと後藤さんが拘束されているというのに、わざわざイスラム国の近くに行って、イスラム国と敵対する国々に2億ドルもの支援を約束するという信じがたい行動をしました。
まるで「人質は殺して構わない」と言っているのも同然です。
そして、実際にそのとおりの結末になってしまいました。
「安倍首相が、湯川さんと後藤さんを殺した」と言われても反論できない行動です。

Re: No title

>MACさん
仰るとおりです。
安倍首相と政府は、今回の失態を反省するどころか、湯川さんと後藤さんの死を自衛隊の軍隊化に利用しようとしています。
本来は、そんな政府を糾弾すべきマスコミが、安倍首相と政府のお先棒を担いでいるのは、誠に情けない限りです。
また、今回の出来事は、安倍政権を打倒する絶好の機会だと思いますが、野党が借りてきた猫のように大人しいのには全く不思議に思います。

Re: No title

>chacoさん
カリーノパパを含めて多くの人達がchacoさんと同じ考えを持ち、同じ疑問を感じていると思います。
それと逆のことを言っているのは、政府とマスコミ(東京新聞以外の)だと思います。
湯川さんと後藤さんが殺されたのは、安倍首相が中東まで行って反イスラム国を宣言したからで、首相辞任位では済まされない程の大きな責任があると思います。
にもかかわらず、安倍首相は自分の責任を棚に上げ、彼らの死を自衛隊の軍隊化に利用しようとしています。

ビンラディンは、元々、アメリカが支援していた人ですし、アルカイダもイスラム国もアメリカが作り上げたことは広く知られています。
イラクが現在のようにグシャグシャの状態になったのも、石油利権の為にフセインを打倒したかったアメリカの思惑に起因しています。
イスラム国の蛮行を擁護する考えはありませんが、彼らが戦争行為に走る理由の一因はアメリカにもあるのは事実です。
そんな複雑な中東紛争に、安倍首相は、今回の中東訪問で日本を巻き込んでしまったわけですが、今後、日本人も狙われる可能性は大いに増してしまいました。
日本国内にもイスラム国に共感する人はいますから、海外だけではなく、日本に居ても危険は増大したと言えます。

湯川さんも後藤さんも、危険を承知の上で、かつ自分の意志でシリアに行ったのですから、普通に外国を旅行していて誘拐されるケースとは異なると思います。
しかし、何れの場合でも、日本政府には独自の交渉力はありませんし、アメリカ政府の意に反するような行動もできないという、極めて頼りない存在です。

今回は、日本政府の動きも含めて大変謎の多い事件なのですが、後藤さんに関しても謎が多いですね。
後藤さんには、城後倫子さんという奥さんがいると言われていますが、何故か苗字が異なっています。
そして、城後さんが外務省の外郭団体であるJICAの職員というのも、何か謎めいて感じます。
更には、後藤さんのお母さんが、今回の事件で初めて奥さんとお子さんの存在を知ったというのも不思議に感じます。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

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