アメリカン・スナイパー



近々、封切られる予定の「アメリカン・スナイパー」という映画があります。

監督はクリント・イーストウッドで、「ネービーシールズ最強の狙撃手」と言われていた故クリス・カイル氏を描いており、全米で大ヒットを続けている映画です。



クリス・カイル氏は、アメリカ軍最強の特殊部隊の一つであるネービーシールズのチーム3(中東地域担当)のスナイパー(狙撃手)だった人で、計4度の中東地域従軍中に160人(公式記録、非公式記録は255人)の敵兵を射殺したと言われています。

味方からは「レジェンド(伝説)」と呼ばれ、「ラマディの戦い」における目覚しい戦果によってイラク武装勢力からは「ラマディの悪魔」と恐れられた人物です。



クリス・カイル氏は、1974年、テキサス州に生まれ、幼い頃から父親に狩猟を教わりながら育ちました。

そして、父親は「お前は弱い羊達を守る牧羊犬になれ。狼にはなるな」とカイル氏に言ったそうです。



最初に狙撃した相手は、イラク戦争中、海兵隊の前進経路上に手榴弾を仕掛けていた女性(子供をつれた母親)であり、彼にとっては、彼女が最初で最後の女性の標的だったそうです。

激戦となったファルージャの戦いでは、撃たれた若い海兵隊員を助けようとして抱きかかえたものの、敵の銃火の中で身動きが取れなくなってしまい、まだ10代の海兵隊員は「母さんに僕が苦しんで死んだと言わないで」と言い残して絶命しました。



そんな百戦錬磨のクリス・カイル氏でしたが、4度に渡る中東地域従軍は心身を蝕み、除隊する頃には体のあちこちの故障や原因不明の高血圧、飛蚊症等に悩まされるようになっていました。

除隊後は、軍や法執行機関の隊員に軍事訓練を行う民間軍事会社「クラフト・インターナショナル社」を立ち上げると共に、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩む帰還兵や退役兵の為のNPO団体「FITCO Cares Foundation」を設立しました。

2013年2月2日、PTSDを患う元海兵隊員エディー・レイ・ルース(当時25歳)の母親からの依頼で、同じく退役軍人のチャド・リトルフィールド氏と共にテキサス州の射撃場でルースに射撃訓練を行わせていたところ、ルースが突然カイル氏とリトルフィールド氏に向け発砲し、二人は亡くなりました。

アメリカではPTSDによる事件が多発しており、大きな社会問題になっています。



現在、日本人ジャーナリストの後藤健二さんがイスラム国に拘束され、大きな問題となっています。

安倍首相は、昨日の衆院予算委員会での民主党議員の質問に対して、「自衛隊による在外邦人救出を可能とする法整備を行う」と明言しました。

気持ちは解りますが、敵の真っただ中から人質を無事に奪還するのは極めて困難なことで、百戦錬磨のネービーシールズでさえ何度も失敗しています。

日本の陸上自衛隊には、千葉県船橋市の習志野駐屯地に「特殊作戦群」と名づけられた特殊部隊が存在します。

将来的には、アメリカ陸軍の特殊部隊(グリーンベレーやデルタフォース)と同様に、「他国における特殊偵察や直接行動などの多様な任務遂行を目指している」と言われていますが、現時点では、実戦経験は全くありません。

日本が戦争に巻き込まれても、安倍首相は戦地には行かず、最も安全な場所で命令を発していれば良いのでしょうが、実戦の経験が無いまま戦闘地域に赴く自衛隊員が、無事に帰還できる保証はあるのでしょうか?

更に、運よく帰還できたとしても、PTSDで悩む自衛隊員が多発する可能性については、どのように考えているのでしょうか?

戦争ができる国にする為に憲法や法律を変える前に、そのことによって起こり得る問題についても、とくと熟考してもらいたいと願わずにはいられません。



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No title

この映画の予告編を見ました。
実話に基づいているだけに、とても迫力を感じました。
これだけの猛者でもPTSDに苦しむことに驚きましたが、その彼が、PTSDに苦しむ元兵士に射殺されたのは、なんとも痛ましく思います。
外国人以上に繊細な心を持っている日本の自衛隊員なら、恐らく、もっと多くのPTSD患者が出てしまうように思います。

No title

先の安倍首相の中東訪問は、何の為だったのか全く解りません。
恐らく多くの国民が、そう思っているのではないでしょうか。
しかも、安倍首相が反イスラム国を明確にしたばかりに、日本もテロの対象国になってしまったように思います。
安倍首相の大失態の為に、今後、湯川さんや後藤さん以外の日本国民もテロの対象になり得ることに大きな懸念を感じます。

Re: No title

>MACさん
MACさんの言われるとおり、これだけの猛者でもPTSDに苦しむことに驚きまますね。
そして、その彼が、PTSDに苦しむ元兵士に射殺されなんて、運命の悪戯を感じます。
日本の自衛隊員の中にも、きっと多くのPTSD患者が出てしまうでしょうね。

Re: No title

>KENTさん
仰るとおりです。
安倍首相が、何故この時期に中東訪問したのか、解っている日本人は少ないでしょうね。
しかも、日本人が人質になっているというのに、わざわざイスラム国の近くに行き、反イスラム国に対して2億ドルもの支援を約束したのですから、イスラム国が怒るのも当然です。
その為に湯川さんは殺され、後藤さんの解放が難しくなったといっても過言ではありません。
安倍首相は、この責任をどのようにとるつもりでしょうか?
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
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