人を元気づける障害犬・タロー

タロー

2007年時点、保健所で殺処分される犬は、全国で年間16万匹にも及ぶという。
今日、紹介する赤毛の雑種犬・タローも、子犬の頃に殺処分寸前の身の上でした。

1995年11月、福岡県宗像市にあるお寺の境内に、子犬が3匹入った段ボール箱が捨てられていました。
ここに捨てられる犬や猫は、年間100匹近くにもなるそうです。
お寺さんは貰い手を探しますが、どうしても見つからない場合は、保健所に引き渡さざるを得ません。

お寺の娘さんであるUさんは、獣医の小森先生に相談し、子犬の貰い手を見つけてもらうことにしました。
幸い、子犬は3匹とも貰い手が見つかり、「おじいさん」と呼ばれている男性に引き取られた子犬は、タローと名づけられ、実の子供のように可愛がられました。

生後6ヶ月になった頃、タローに、突然、不幸が襲い掛かりました。
右耳の先端が壊死して、まるで切り取ったように無くなってしまったのです。

それから7ヵ月後、タローに新たな不幸が襲い掛かります。
今度は、4本の足と、尻尾が原因不明の血行障害に陥いってしまい、このままでは、皮膚と筋肉がミイラ化してしまいます。
タローに残された道は、4本の足と尻尾を「切断」するか、「安楽死」しかありません。

タローを見つめながら、おじいさんは、ポツリと「切るくらいなら、安楽死させた方がよかとね」呟きました。
おじいさんの心は、「切断」か「安楽死」かで揺れ動いていました。
そして小森先生が近づいた時、おじいさんは「頑張れるだけ治療してもらえますか」とお願いしました。

耳、4本の足、尻尾を失ったタローは、小森先生と病院スタッフの献身的な支えで、順調に回復していきました。
病院に何ヶ月も入院すると、何十万円もの費用がかかりますが、小森先生は、月3万円以上は請求しなかったそうです。
それは、「いざとなったら、タローは病院で面倒を見る」と腹をくくって手術を引き受けた、小森先生の決意の表れだったのです。

退院後、タローは室内で飼われることになりましたが、年老いたおじいさんが、重いタローを抱えてトイレをさせるのは、容易なことではありませんでした。
小森先生は、そんな窮状を察して、タローを病院に引き取ることにしました。

タローが病院に引き取られてからも、おじいさんは、週2回、タローに会いに来ました。
おじいさんが来てくれると、タローも安心し、それが何よりの良薬であることは明白でした。
そんなおじいさんが、ぷっつりと来なくなりました。
タローは、不安から、ちょっとしたことでも吼えるようになりました。
おじいさんは、不慮の事故で、亡くなっていたのです。

4本の足を失っても一生懸命に生きるタローは、おじいさんの人生最後の日々に「生きがい」をもたらしてくれ、そして命の恩人である小森先生には「心のありようを見つめさせるきっかけ」を作ってくれました。
五体満足にもかかわらず落ち込んでいると、タローに笑われてしまうかもしれませんね。

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テーマ : 犬との生活
ジャンル : ペット

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タロー

生い立ちと病気については、とても不運なタローでしたが、Uさん、小森先生、おじいさんと出会えたことは、とても幸運でしたね。
足が一本無くなるだけでも大変なことなのに、全ての足が無くなるなんて、本当に痛ましいことです。
そんな大きな障害にも負けず生きるタローから、勇気をもらうのでしょうね。

Re: タロー

> アリスさん
Uさん、小森先生、おじいさんに巡り会えて、タローは、本当に良かったですよね。
不自由な身体にもかかわらず、そんなことには負けずに生きているタローの姿を見て、皆、元気と勇気をもらっているみたいですね。

原因不明の病気になったタローは、本当に可哀相ですね。
手術すべきか、安楽死させるべきか、すごく迷われたことだと察します。

Re: タイトルなし

> ルイーズさん
原因不明の血行障害だったようですが、本当に怖いですね。
安楽死はいけないとは解っていても、全ての足を切断する必要があると言われたら、やはり悩んでしまいますよね。
恐らく、おじいさんにとっては、いずれの道を選んでも大変なことだったと思います。
小森先生がいてくれたからこそ、タローは安楽死を免れ、その後も元気に暮らしているのだと思います。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

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