将来の頭痛の種?


鬱陶しい梅雨空と同じように、日本の政治も梅雨空状態のように感じます。

安倍首相は、福島第一原発の収束という難しい問題とは距離を置き、オリンピックなどの楽しく簡単なことには積極的に介入しています。

そして、原発という負の遺産を将来の子孫達に遺そうとしているだけではなく、オリンピックの為に建設する新国立競技場という新たな「頭痛の種」を創り出そうとしています。

本日は、新国立競技場が、何故、将来の「頭痛の種」になり得るのかを語ってみたいと思います。



上の写真の中央にある白い巨大な建物が、東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場です。

隣にある神宮球場と比べると、その巨大さが一目瞭然です。

この巨大な建物を、都民の憩いの場であり、風致地区(景観を守る為、建物への規制が特に厳しい所)でもある神宮外苑の中に建設しようとしています。



新国立競技場の左側にある茶色いクラシックな建物は、成徳記念絵画館です。

巨大な新国立競技場は、都民に愛されている成徳記念絵画館をも圧倒していることがお解り頂けると思います。

建物高さは70mもあり、セントポール寺院を市内のどの地点からも見えるように高さ規制を行っているロンドンでは考えられないことです。



屋根は、開閉式のドーム型競技場となります。

その為、大変高額な空調機を多数設置する必要があります。

競技場の中央部は天然芝となりますが、ドーム型の競技場では日照や蒸れなどの問題があり、天然芝を維持管理するには大きな困難と費用を伴います。

このことは、大分県にあるドーム型サッカー場でも既に実証されています。



イラク出身の国際的女流建築家であるザハ・ハディド氏によるデザインは、とても美しいと思います。

シドニーのオペラハウスやパリのエッフェル塔のように、その国を代表する建物になり得るデザインと言えるかもしれません。(但し、「競技場は、名所にはなり得ない」というのが世界の常識です)

ところが、地上レベルから新国立競技場を見ると、巨大なコンクリートとガラスの壁が聳え立っていることが解ります。

新国立競技場が、もしお台場のような広々した所に建っていたら、恐らく、それほど圧迫される感じは無いと思います。

しかし、決して広いとは言えない神宮外苑に、このような巨大なコンクリートの塊ができた場合、息苦しささえ感じるようになるかもしれません。



新国立競技場の建設費は、当初、3000億円超と言われていました。

コストダウンの結果、現在は1600~1700億円と見込まれていますが、恐らく、実際に建設が始まると、この金額を大幅に越えるものと思います。

建物は、完成してからも費用がかかります。

新国立競技場の年間維持管理費は46億円と試算されておりますが、このような数字は、控えめに算出されているのが常です。

一方、競技場の使用などによる年間収入は50億円と見込まれており、その結果、収支は黒字になると言われているようです。

ミシェルのお父さんの経験からして、とても楽観的な予測に思えてなりません。

上の写真は、ロンドンオリンピックの際のメインスタジアムです。

コストを抑える観点から、デザインは極めてシンプルです。(ロンドンは、16万平方メートルの敷地に、延床面積10万8500平方メートルの競技場を建設)

更に、当初からオリンピック後の維持管理まで想定されており、サッカー・プレミアムリーグのウエストハムのホームグラウンドになることが決まっています。



上の写真は、北京オリンピックの際のメインスタジアムです。

北京は、21万平方メートルの敷地に、延床面積26万平方メートルの競技場を建設しました。

東京は、11万平方メートルの敷地に、延床面積29万平方メートル(既存国立競技場の5.6倍!)の競技場を建設しようとしています。

東京オリンピックは、「コンパクト五輪」を目指していると聞きますが、メインスタジアムの規模は「コンパクト」とは正反対と言えます。

ちなみに、北京のメインスタジアムは、オリンピック後に殆ど使われることもなく、廃墟のようになっているそうです。

東京の新国立競技場が、将来、大きな「頭痛の種」にならないことを願って止みません。(東京都庁は巨額な費用を使って建設されましたが、完成後の維持管理にも巨額な費用がかかっています。同じような過ちは、繰り返すべきではありません)



★ランキングに参加中です。
↓ポチッと押して下さると嬉しいです♪

スポンサーサイト

テーマ : オリンピック
ジャンル : スポーツ

コメントの投稿

非公開コメント

No title

さすが建築家のカリーノパパさん!
新国立競技場の問題点が、よく解りました。
恐らく殆どの人達は、このような問題があることが解っていないのでは。
確かにオリンピック後、これだけ巨大な競技場を維持管理していくのは大変なことですよね。

No title

本当に分かり易く教えて頂き、有難うございました。
神宮外苑のあたりは、私も好きなエリアですが、こ
こには似つかわしくない外観のスタジアムですね。
オリンピック後の維持費を考えただけで、溜息が
出てきます。あまりに楽観的な考え方に、不安を
覚えますね。

Re: No title

>COCOさん
ありがとうございます。
問題点を理解して頂けて幸いです。
建築の専門的なことは、一般の人達には解らないことが多いですよね。
しかし、一部の権力者によって、将来に大きな頭痛の種を遺すことは許されないことだと思います。

Re: No title

>勘太‐モモのママさん
神宮外苑は、散歩やジョギングなどを楽しむ人達が多くいる所です。
イチョウ並木などもある風致地区で、東京としては落ち着きのある場所です。
しかし、決して広いとは言えず、このような場所に巨大なコンクリートの塊が建設されることは恐ろしいことです。
問題点も一般の人には伝わりにくい状況で、オリンピック後に大きな経済的負担を国民に強いることになる可能性は大だと思います。
プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

●コメントは、ありがたく拝見し、返信させていただきます。

●リンクフリーです。貼ったり剥がしたり、ご自由にどうぞ。

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
FC2カウンター
人気ブログランキング