新たな疑問
上の完成予想図は、加計学園が愛媛県今治市で建設中の獣医学部です。
国家戦略特区という奇策を使って、安倍首相のお友達が経営する加計学園の獣医学部新設が認められたことで、世間では大きな疑問を持って注目をされています。
その加計学園の獣医学部に関して、テレビなどでは殆ど取り上げられていない疑問もあるようです。
獣医学部新設の総事業費は192億円と言われており、その50%の96億円を愛媛県や今治市が補助金で負担することになっています。
しかし、この補助金の金額が決定した時の経過が不透明なのです。
県と市で負担すると言われる96億円の内、市議会などで説明されていた市の負担は最大で64億円でした。
ところが、今年3月31日に加計学園が申請した申請書では、それより32億円も多い96億円だったのです。
つまり、いつの間にか補助金の全額を市が負担することになっていたのです
しかも、市は、それを即日決裁で認めてしまったといいます
こんな不可解な状況について、今治市議会の関係者は 「必要な手続きを経ていないなら、大変なことです。最悪の場合、工事がストップして開校できないことになりかねません」と語っています。
獣医学部新設に関しては、建築的にも大きな疑問があります。
大学校舎などの施設の延べ面積は約32,528㎡(約9,840坪)で、その建設工事費用は148億円と言われています。
この数値から建設工事費の坪単価を算定すると、約150万円/坪にもなります
一般的に大学や大学病院の坪単価は80~90万円/坪と言われていますから、その坪単価と比べると7割近くも高いことが判ります
今治市は補助金の決定通知を3月末に出しているのにもかかわらず、最近になってようやく建設工事費の根拠をチェックし始めたそうです
これでは、市民から「建設会社の見積り金額を鵜呑みにして、補助金を決めたのでは?」と疑われても仕方ありません。
工事費が148億円の大学校舎建設工事というと、通常は、有名な設計事務所が設計と工事監理を担当し、工事は大手建設会社か準大手建設会社が元請けになり、地元の建設会社が下請けとして工事に参画するというケースが多いように思います。
しかし、加計学園の獣医学部の場合は、設計と工事監理は加計学園グループのSID創研が請け負い、工事は岡山市の大本組とアイサワ工業が請け負っています。
このアイサワ工業というのは、岡山1区選出の逢沢一郎衆院議員(自民党)の祖父が設立した会社で、現在は従兄が社長に就いています。
加計学園に交付された補助金の要綱には、「原則として競争入札」と書かれていましたが、実際に入札が行なわれたという情報は伝わってきません
今治市が巨額の補助金を出すのですから、地元の建設会社が参画するのは不思議ではありませんが、何故、大手や準大手でもない岡山市の建設会社が元請けになったのか不思議に思えます。
校舎の建設工事は既に着工されていますが、まだ獣医学部の新設が最終決定されたわけではありません。
現在、獣医学部新設の妥当性について、文科省の大学設置審議会が審査中で、認可or不認可の決定は8月末に予定されています。
大学の安定的な経営能力、教授の数・年齢・質、大学の教育内容等が詳細に審査されると言われています。
そして、大学の教授については、年齢が若年層(大学卒業直後)と高齢層(他大学を定年退職)に偏っており、募集学生数が、全国平均の3倍(160名)にもなることなどが問題視されているようです。
また、経営上の不安も問題になっているようです。
獣医学部の年間授業料収入は約20億円と言われていますが、支出費用は年間30億円と見込まれています。
これでは、毎年10億円もの赤字を計上することになり、遅かれ早かれ、経営が行き詰まるのは明らかです。
問題が山積しているにもかかわらず、もし審議会が「総理のご意向」を忖度して認可すれば、今度は国民の批判が審議会に向くのは間違いありません。
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