自然から学ぶ
上のワンちゃんは、日本のカヌーイストの先駆者とも言える野田知佑さんと一緒に、日本国内だけではなくカナダやアラスカを旅したカヌー犬「ガク」です。
最初のカヌー犬であるガクは亡くなってしまいましたが、愛犬家の野田さんは、その後も愛犬と一緒にカヌーや筏で旅を続けておられます。
上の写真は、カナダからアラスカに流れるユーコン川を筏に乗って旅する野田さんと愛犬です。
大自然の中を悠然と流れるユーコン川を旅すると、美しいオーロラを見ることもできるそうです
40数年前のアメリカは、既に大勢の人達がカヌーやボートで川を下る遊びを楽しんでいましたが、その当時の日本では、カヌーを見ると「何故、川を下るのか?」と不審がられ、その度に「河川調査です」と答えなければならないという状況だったそうです
川で釣りをしている人達からは、時には石をなげられて、追い払われることさえあったそうです
1962年に堀江謙一さんが小さなヨットで太平洋横断をした時には、日本の新聞社は密出国事件として取り上げ「帰国したら逮捕されるであろう」と報じたそうです。
しかし、堀江さんが無時にサンフランシスコに到着し、アメリカ中で英雄として太平洋単独航海を称賛されると、日本のメディアは一転して堀江さんを褒め称えたそうです
そんな過去を知り、経験してきた野田さんは、今、徳島県の日和佐に移住し、子供達を対象とした「川の学校」を開催されておられます。
川での遊びを通じて、子供達に自然の怖さや楽しさを教えているのです。
そう言えば、ミシェルのお父さんの子供の頃も川でよく遊びました。
ただ泳ぐだけではなく、石を水中に投げ入れて取って来るという遊びをしたり、石をこすってできた粉を体に塗って文字を書いたりといった遊びをしました。
この当時は、泳げない子供に対して「一度、溺れる経験をすれば、泳げるようになる」という、今考えると、冗談のような乱暴な教え方も普通のことでした
しかし、ダムが建設された後は、川で泳いだり遊んだりすることはできなくなりました。
今日では、親が「あれをしては駄目。これは危険」と言って、子供達から自由や創造性を奪っていることも少なくありません。
世界の大自然の中を旅した野田さんは、日本の若者に対して「青年は孤高であるべし。そして、荒野を一人で歩かねばならない」と言っておられます。
そして、更に「誰かナイル川を下ってみないか。多分、君は死ぬだろうが、それは青年にとって悪い死に方ではないと僕は考える」とも語っておられます
長く海外を見てきたミシェルのお父さんの経験からすると、日本は世界で最も親切過ぎて便利過ぎる国と言えるかもしれません。
空港でエスカレーターを乗ろうとすると、大人であっても、係りの女性が安全の為に乗り方まで教えてくれます。
学校では、子供が「何故?」と疑問に思って考えることよりも、公式を暗記させて試験問題の解き方を教え込みます。
一見、日本は大変便利で豊かな国になってしまったように錯覚しますが、実際には創造性や物に対する愛情などを軽んじる国になってしまったようにも感じます。
人間は、自然の偉大さを改めて見つめ直し、そこからまだまだ学ぶべきものがあるように思えます。
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