オリンピックどころではない?



福島第一原発事故から6年が経ちましたが、いまだに8万名もの人々が不便な避難生活を強いられているといいます。

週刊誌のAERA(アエラ)に最新の福島第一原発を視察した記事が載っていましたので、その抜粋を御紹介します。

溶けた燃料取り出しは困難を極め、汚染水も溜まり続ける。

廃炉作業における石棺化や汚染水の海洋放出など、タブーへの直視が迫られている。

2月上旬の月曜日、日本記者クラブの取材団に参加し、東電福島第一原発の構内に入った。

2号機の原子炉建屋は、炉心溶融は起こしたが、爆発をまぬがれ、事故前の姿をかろうじてとどめていた。

1月末、遠隔操作によるカメラで調査したところ、2号機の原子炉圧力容器の下にある足場で、溶けた核燃料のような黒い塊が確認された。

溶けた燃料は、周辺機器のさまざまな金属などと混じりながら、圧力容器の下に流れ落ち、格納容器の底に落ちていると見られる。

2月9日の調査では、格納容器内のカメラの画像を解析し、最大で毎時650シーベルトという推定放射線量を記録した。

16日には前後に2台のカメラを設置した調査ロボット「サソリ」が格納容器内に投入されたが、堆積物に阻まれ途中で動けなくなった。

この時に毎時210シーベルトという実測値では過去最大となる放射線量を記録した。

1999年に茨城県東海村で起こった臨界事故では、亡くなった2人の推定被曝線量は16~20シーベルトと6~10シーベルトだった。

堆積物近傍では、数千シーベルトに達するとの見方もある。



廃炉作業の進捗について、福島第一原発の内田俊志所長は「これまでは汚染水対策など周辺のことを一生懸命やってきた。山を登り始めたところだが、少し先が見えてきた」と話した。

福島第一原発では、格納容器内にあるデブリの確認や回収という本丸になかなか切り込めない為、外堀を埋める作業に終始せざるを得なかった。

一方で、写真に写っている堆積物や高い放射線量は、燃料由来ではないと見る専門家もいる。

エネルギー総合工学研究所原子力工学センターの内藤正則副センター長は、「堆積物はアルミの保温材や電線の被覆材が高温で溶けて飛散し、それが鉄製の足場にこびりついたのではないか。高い放射線量も付近の配管内にある放射性物質がこびりついている為と考えられる」と話している。

いずれにせよ、直接確認するまでは、堆積物がどんな状態になっているのか、誰にもわからない。

廃炉の方針をめぐって昨夏、議論が巻き起こった。

国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」は、作成した「技術戦略プラン」で燃料を取り出さずに覆いで囲う「石棺」に触れた。

この為、自治体や県から「廃炉断念の布石では」などと疑念や反発の声が上がり、内堀福島県知事が経済産業大臣に対して「到底容認できるものではない」と抗議する事態に至った。



石棺は、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で取られた対応だ。

とりあえずの応急措置として、爆発でぼろぼろに壊れた原子炉建屋を突貫工事でコンクリートで覆った。

チェルノブイリ原発では、老朽化から、この石棺が倒壊する恐れも出てきた。

日本と欧米による国際基金が作られ、石棺を覆う新たなシェルター建設が進んだ。

今後、廃炉作業を進める方針だが、具体的な計画があるわけではない。

同原発の担当者は、13年の筆者の取材に対して「100年かかる可能性もある」と話した。

原発の推進、反対の立場を問わず聞こえてくるのは、「堆積物は、確認できても取り出すのは難しいのではないか」との見方だ。

東電は廃炉期間を30~40年とするスケジュールを掲げるが、さらに長期化する恐れは十分ある。



福島第一原発の敷地内はもはやタンクだらけで、何か別の化学工場の中にいるような気分になる。

それというのも、日々、タンクに入れる汚染水の発生が絶えない為だ。

流入する地下水を抑制するために、1~4号機の建屋を氷の壁で覆う凍土壁の設置、建屋地下から水をくみ上げるなどの対策を進めているが、いまだに汚染水が増え続けている。

既に約96万トンの汚染水タンクが敷地内にたまり、その数は1千基に。

3階建て相当のタンクが数日でいっぱいになる勢いだ。

汚染水の海への流出も完全に防げているわけではない。

AERAの記事は以上ですが、昨年11月に国が公表した福島第一原発の事故処理費用も、国民にとって大きな問題です。

経産省は、廃炉費用が2兆円から8.2兆円に膨らむなどの理由で、当初11兆円だった総費用を22.6兆円へと上方修正しました。

一方で、東京五輪の次の2024年夏季大会に立候補していたハンガリーのブダペストが招致断念を発表したというニュースが伝わってきました。

ブダペストが断念したことで、残る候補地はパリとロサンゼルスの2都市だけになってしまいました。

2024年大会にはドイツのハンブルクやイタリアのローマも立候補を予定していましたが、ハンブルクは住民投票で反対が過半数を占めた為に断念し、ローマはビルジニア・ラッジさんが「招致反対」を訴えて市長に当選し、立候補を取り下げました。

いずれも巨額の開催費用への懸念がネックとなりました。

近年の五輪はひたすら肥大化への道を突き進み、経費も雪だるま式に膨れ上がっています。

東京オリンピックの開催経費は1兆8千億円と見積もられていますが、誰がそれだけの経費を負担するのか、いまだに東京都と組織委員会、政府の結論は出ていません。

「国民の安全が何よりも優先する」ということを考えれば、今の日本はオリンピックどころではなく、まず福島第一原発の収束を優先すべきように思えます。


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大東亜建設忠霊神域計画


日本で「世界の丹下」と呼ばれ、世界で最も活躍した建築家と言える丹下健三さんは、もし御存命であれば、今年の9月で100歳を迎えられたことになります。

ミシェルのお父さんは、高校生の頃に雑誌に掲載されていた丹下健三さんの作品を見て感動し、自分も建築家の道に進もうと決めました。

丹下健三さんが設計された代々木第一体育館や東京都庁などは世間によく知れ渡っていますが、丹下健三さんの名前が有名になったデビュー作品のことを御存知の方は少ないのではないでしょうか。

本日は、1942年に日本建築学会によって開催された「大東亜建設記念営造計画コンペ」で1等入選を果たした丹下健三さんの作品を御紹介させていただきます。



上の日本画風の絵は、丹下健三さんが1等入選を果たした「大東亜道路を主軸としたる記念営造計画–主として大東亜建設忠霊神域計画」のパースペクティブ(完成予想図)です。

丹下健三さんが、若干29歳だった時の作品です。

富士山吉田口からの富士山登山者が20万人を超えた1942年、日本建築学会が「大東亜建設記念営造計画」というコンペを開催したのです。

まだ太平洋戦争の戦局が有利に動いていたと言われる時期で、コンペの趣旨は「大東亜共栄圏確立ノ雄渾ナル意図ヲ表象スルニ足ル記念営造計画案ヲ求ム」というものでした。



上の地図は、東京の皇居から富士山を結ぶ壮大なスケールの丹下健三さんの案を示すものです。

建築家として大成後、イタリアやナイジェリアなどの都市計画も行った、いかにも丹下健三さんらしいスケールの大きな案です。

皇居から富士山に向かって「大東亜道路」と「大東亜鉄道」を走らせ、富士山東麓を「忠霊神域(東名高速の鮎沢パーキングエリア周辺か?)」にするという計画でした。



上の図面は、忠霊神域内の建物配置図です。

忠霊神域には、鉄筋コンクリート造の寝殿造りの神殿が計画されています。

シンメトリック(左右対称)な配置は、その後の広島ピースセンターなどの計画にも用いられています。



上の動画は、NHKが丹下健三さんの案を番組で紹介する為にコンピューター・グラフィック化したものです。



上の写真は、シンガポールのラッフルズ・スクウェア周辺の超高層ビル群です。

右から2番目(UOBプラザ)と3番目(OUBセンター)の超高層ビルは、丹下健三さんの設計です。

ミシェルのお父さんが、設計本部から海外事業本部に異動した1986年頃にOUBセンターは建設されたのですが、その実施設計に関与させていただいたのが想い出として残っています。



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豊洲新市場



上の写真は、ニュースで話題になっている豊洲新市場です。

築地市場の移転が予定されていましたが、盛土の問題が明らかになって先行きが不透明になっています。

建物の下に計画されていた盛土が行われていなかったことが判明しただけではなく、地下部分に汚染水が溜まっていることも判明し、東京都は大騒ぎになっています。

マスコミは、施工されなかった盛土と地下に溜まった汚染水を問題にしていますが、果たして、それだけの問題で済むのでしょうか



豊洲新市場の予定地は海だった場所ですが、1954年から海面の埋立てが始まり、その後、東京ガスの製造工場が建設され、1956年から1988年まで都市ガスの製造・供給が行われていました。

この場所で問題になった土壌汚染は、東京ガスが石炭から都市ガスを製造する過程において生成された副産物などによるもので、7つの危険な物質(ベンゼン、シアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウム)が土壌検査で確認されています

そして、その汚染された土壌を綺麗な土で覆い隠そうというのが、東京都が検討を依頼した専門家委員会の提案だった訳です。



上の地図は、東京湾沿いの埋め立て地の歴史を示すものです。

内陸側の茶色の部分は、元々陸地だった所ですが、それ以外の部分は、徳川家康が江戸(現在の東京)に幕府を開いた以降、海が埋立てられてできた土地です。

この地図を見ると、かっての東京は、現在の皇居の堀辺りまで海だったことが判ります

大手町や銀座で高層ビルを建設する為に地面を掘削すると、かなり深い部分まで砂層が続いていることからも、この辺りも昔は海だったことを示しています。

江戸幕府が始まった頃の東京は人口が爆発的に増加し、それに伴ってゴミが大量発生していました。

江戸幕府は、この急激に増大した人口とゴミ処理の対策として海の埋立てを開始したのです。

その為、江戸時代に埋立てられた部分は、江戸城の築城工事に伴う堀の掘削土やゴミが使われました。

明治以降に埋立てられた部分は、ゴミや東京大震災の瓦礫や隅田川の掘削土(砂や土やヘドロ)や建設工事の際に出る土砂などが使用されました。



上の写真は、新市場の建物が建設される前の土工事の様子です。

敷地全体に4.5mの汚染されていない土が盛土されるはずでしたが、何故か建物が建つ部分だけ盛土がされていなかったのです

当時の都知事だった石原慎太郎氏は、当初「何も聞いていなかった。私は騙された」などど弁解していましたが、実際には「建物部分は盛土しない」という工事契約書に都知事の印を押して承認していたのですから、開いた口が塞がりません



マスコミは土壌の汚染だけを騒いでいますが、地震の際に発生する地面の液状化も心配です。

上の地図は、東京都における液状化の可能性を示しています。

ピンク色の部分は「液状化の可能性が高い土地」で、黄色の部分は「液状化の可能性がある土地」で、黄緑色の部分は「液状化の可能性が低い土地」です。

これを見ると、豊洲新市場予定地(赤丸部分)は黄色で、「液状化の可能性がある土地」であることが判ります



実際のところ、東日本大震災の際には、豊洲周辺でも地面の液状化が発生しています。(上の写真左側)

もし液状化が発生すると、建物下に杭が打設されていても、その杭が折れることもあります(東京湾沿いの埋立て地に建つビルでは、通常、長さが40~100m程度の杭を打設)

そして、東日本大震災直後に東京都の都市整備局に豊洲新市場建設予定地の視察を申し入れた人がいましたが、何故か都市整備局は「1週間待ってくれ」と言ったそうです。

視察許可が下りてからも「現場で水や土を持ち帰らないで欲しい」と再三念押しされ、視察用の長靴を用意していたにも関わらず、都から「これに履き替えて欲しい」と別の長靴を渡されたそうです。

恐らく、長靴に付着した泥を持ち帰られたくなかったものと思われます

しかも、東日本大震災から約1ヶ月後に新市場予定地を視察した際には、液状化した部分にサークル状に土が盛られ、その中に土嚢(どのう)が置かれていたのです。(上の写真右側)。

まるで液状化が起きた事実を隠蔽しようとしているかのようにも見えます

もし首都直下地震が発生したら、津波も心配です。

豊洲周辺は殆ど海抜1~2mで、高い所でも海抜4m程しかありません。(海抜は、干潮と満潮の中間の年平均値)

一般的には「東京湾は入口が狭いので比較的津波の影響を受けにくい」と言われていますが、震災の際に想定外のことが発生することは東日本大震災でも実証されています。(東京都防災管理課や内閣府中央防災会議は、東京湾内の津波の最高高さを50㎝未満と予測していましたが、震源が東北地方だった東日本大震災では、晴海で1.3m、横浜で1.6m、木更津で2.83mの津波が発生)

首都直下地震による被害想定の津波高さは、中央区で最大2.51m、港区で最大2.47m、品川区で最大2.61m、川崎市で最大3.7m、横浜市で最大4.9m、藤沢市で最大10.7m、鎌倉市で最大14.5mとなっています

以上のようなことを考慮すると、ミシェルのお父さんには、豊洲などの埋立て地に新市場や超高層マンションなどを建てること自体に無理(自然の摂理に相反)があるように思えてなりません。



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サンシティ



アメリカのロサンゼルスから東へ600キロ、メキシコと国境を接するアリゾナ州の州都フェニックスの郊外に、人工的に造られた「サンシティ」という名前の町があります。

このサンシティ (Sun City) は、55歳以上の人達を対象にした「退職後のコミュニティ(Retirement Communities)」の一つです。



サンシティの面積は1,080万坪あり、西側に新たに造られたサンシティ・ウエストと合わせると、東京の品川区・目黒区・渋谷区・中野区・北区の合計面積に相当します。

ここに、約38,000人程の人達が住んでいます。

アメリカの不動産会社のデル・ウェブ(Del Webb)が、1960年に「退職者が住み易い町」をコンセプトとして開発したのです。

サンシティは、55歳以上の人達が住むことができ、その同伴家族は18歳以上と定められています。

居住者の98%は白人ですが、アメリカだけではなく、カナダやヨーロッパの人達も住んでいます。(日本人も住んでいるそうです)

住宅は、同心円状に配置されており、中心部には、病院、教会、ショッピングセンター、劇場、銀行、郵便局、図書館、テニスコート、ボウリング場、トレーニングジム、温泉、スケート場、公園などがあり、どの家からも1マイル(約1.6km)以内で中心部に行くことが可能です。

一つの町としての機能がフルに整備されており、それらの施設で働いている住民もいます。

町には、ラジオ局、新聞社、電話局、郵便局、図書館、自衛団や消防団などがありますが、これらのスタッフの殆どはボランティアによってまかなわれています。



サンシティに住む人々の殆どは、中流の上といったクラスの人達と言われています。

写真のような住宅(3寝室+3浴室+2台駐車)は、日本では豪邸で相当の高額になりますが、サンシティでは2,500万円位で購入できるようです。



日本の老人ホームというと、高額で暗いイメージが付きまとうものが多いように感じますが、サンシティに住む人達は、リタイヤ後の自由な生活を楽しんでいる人が多いようです。

トレーニングジムで身体を鍛えたり、同じ趣味を持つ人達と手芸や工芸を楽しんだりと、そこには暗さが微塵も感じられません。

日本も高齢社会と言われるようになりましたが、リタイア後の生活を本当に楽しめる町や施設が必要になっているように思います。



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美しい街並み


ヨーロッパに行って気づくのは、個々の建物が美しいだけではなく、街並み全体が美しいことです。

これは、古くから都市計画が進んでいたことと、古いものを大切にする風習が要因と考えられます。

一方、日本の場合は、個々の建物は美しくても、街並みとして美しいと感じる所は少ないように思えます。

日本にも、過去には調和がとれた街並みが存在したのですが、古いものを大切にせず安易に壊してしまう日本の風習が、貴重な街並みを消失させてしまったように思います。

新しいものは造ることができますが、長い歴史を刻んた古いものは、一旦壊してしまうと取り返すことができませんので、とても残念なことです。

本日は、現在も残っている美しい街並みの一例を御紹介いたします。



上の街並みは、「眠れる森の美女」と呼ばれているチェコのチェスキークロムロフです。

「ヨーロッパで最も美しい街」と評価する人も多いようです。

ブルタヴァ川の曲線と、ボヘミアの深い緑、赤い屋根で統一された街並みです。

見るだけでも溜息が出るほど美しい街ですが、散策したら心が癒されることは間違いなしです。



上の街並みは、「中世の宝石箱」と呼ばれているドイツのローテンブルクです。

全長350kmあるロマンチック街道のハイライトとしても有名な街で、ミシェルのお父さんも自動車でオーストリアまで家族旅行した際に立寄りました。

おとぎ話に出てくるような街並みが、メルヘンの世界に誘ってくれます。



上の街並みは、中世の建物が大切に保存されているスイスのベルンです。

街全体が世界遺産に登録されているスイスの首都でもあります。

同じ首都でも、「コンクリートジャングル」と揶揄される東京とは大いに異なります。

アーレ川の中州に誕生した街ですが、中世の町並みが当時のまま残っており、1時間おきに時を刻む鐘の音が街全体に響き渡ります。



上の街並みは、「アドリア海の真珠」と呼ばれているクロアチアのドゥブロヴニクです。

美しいアドリア海、澄み切った青い空、中世から残る赤い屋根と完全無欠の美しい景色が広がっているドゥブロヴニクです。

ジブリの映画「紅の豚」の舞台としても有名ですが、これほど「真珠」という名に相応しい街は他にないと思います。



上の街は、「百塔の街」と呼ばれているチェコのプラハです。

中央ヨーロッパでも有数の世界都市として知られ、数多くの中世建築の宝庫でもあり、街全体が世界遺産に登録されています。

ミシェルのお父さんは、ロンドン勤務の最後の頃に家族旅行で訪れ、名物の一つである操り人形を買ってきました。



上の街並みは、岡山県高梁市に残る吹屋ふるさと村の街並みです。

赤銅色の石州瓦とベンガラ色の外観で統一された貴重な街並みです。、

江戸末期から明治にかけて、ベンガラ(酸化鉄)で富を築いた吹屋の長者達が、後世に残した最大の文化遺産です。

日本では珍しい特徴は、個々の屋敷が豪華さを競っているのではなく、長者達が相談の上で、石州(現在の島根県)から宮大工の棟梁達を招き、街全体を統一されたコンセプトの下に造り上げたことです。

当時としては、驚くべきほど先進的な考えであったに違いありません。

1977年、文化庁から国の重要伝統的建造物群保存地区に認定されました。



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真冬の新築工事



ミシェルと別荘地内を散歩していると、真冬だというのに別荘の新築工事を目にします。

真冬で最も品質管理が難しいのは、基礎などのコンクリート工事です。

河口湖周辺は、夜間に氷点下の気温になるので、その対策が必要です。



上部の躯体は木造が多いので、コンクリートほど管理は難しくありません。



屋根や外壁をビニールシートで覆っている工事現場が多いようです。



こちらは、高断熱性能で定評があるスウェーデンハウスの別荘です。

外部はほぼ完成し、内装工事の真っ最中のようです。



こちらは、ほぼ完成に近い別荘です。

寒冷地の真冬の工事は難しい点が多々ありますが、オーナーさん達は春からの使用を望んでおられるのでしょうね。



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新国立競技場の舞台裏



新国立競技場の国際デザインコンペで最優秀賞に選ばれ、インパクトが非常に強かったザハ・ハディド氏の案が白紙撤回され、新たにデザイン・ビルド(設計施工)方式のデザインコンペが行われました。

その結果、梓設計及び大成建設と組んだ建築家の隈研吾氏のA案が採用されることになりました。(隈研吾氏と大成建設の村田社長とは東大の同級生)

テレビや新聞が、連日、このニュースを伝えていますが、どれも表面的で、金太郎飴のように同じ内容です。



ミシェルのお父さんは、このニュースを知って、直ぐに次のような疑問を感じました。

1.何故、たった2グループしか参加しなかったのか?(前回は、46案の応募)

2.何故、建設業界最大手の鹿島建設は参加しなかったのか?

3.何故、スタジアム設計経験が無い隈研吾氏が参加できたのか?(前回の国際デザインコンペでは、スタジアム設計経験者だけが参加できました)

しかし、このような内容を伝える報道機関は皆無です。

表面的なことだけを伝え、問題の本質を伝えられない最近の報道機関の一例かもしれません。



そこで、ミシェルのお父さん独自で、舞台裏を探ってみました。

まず、1については、次のようことが想定されます。

●前回の国際デザインコンペのゴタゴタで、設計期間も工事期間も余裕がなくなった。

●建設会社に工事費と工期のリスクを負わせるデザインビルド方式のコンペを採用した。

●積極的に参加を表明したのは1グループのみで、他の1グループ(特に建設会社)はコンペの体裁を整える為に参加を要請されたのかもしれない。

ここで一番問題になるのが、「デザインコンペに参加する設計者は、建設会社と組まなければならない(デザインビルド)」という条件です。



日本の建設会社で、新国立競技場のような大規模なスタジアムの工事を行うことができるのは、大手5社と準大手5社位ではないかと思います。

それらの建設会社と組めればデザインコンペに参加できるわけですが、工事費も工期も厳しくなった新国立競技場の建設に参画したいと思う建設会社は極めて少ないようです。(加えて、建設業界では、大成建設の受注が予想されていたようです)

デザインコンペの参加条件を満たす為、日本の大手建設会社に連絡をとった国内及び海外の建築設計事務所は多かったようですが、応じてくれる建設会社は殆どいなかったようです。

その結果、工事受注に最も熱心と言われ、前回のザハ・ハディド案で本体部分の工事を請け負うことになっていた大成建設と組んだ隈研吾氏と、前回のザハ・ハディド案で屋根部分の工事を請け負うことになっていた竹中工務店と組んだ伊東豊雄氏だけが、今回のデザインコンペに参加することができたという訳です。

もし、このような結果を意図的に導き出せる人物がいるとすれば、その人は天才的な「策略家」か「悪(ワル)」に違いありません。



続いて、2については、次のようなことが想定されます。

●福島第一原発の汚染水対策として「凍土遮水壁工事」に深く関わっており、リスクが大きい他の工事は避けたい。

●会社の決算に大きな影響を与えかねないアルジェリア道路工事の工事費の精算が未遂である。(訴訟中)

●国内の建設需要が回復して多忙を極め、無理をしてまでリスクが大きい工事を受注する必要が無い。

実際のところ、東日本大震災の復興需要で公共工事が増え、加えてオリンピック特需もあって、日本の建設会社は工事を選んで受注できる状況にあるようです。



新国立競技場の受注に一番熱心な大成建設が入ったグループの案が選ばれたことで、政府を始め、オリンピック関係者はひと安心したことでしょうが、まだまだ難問は山積しているように思います。

その一つが、「果たして、新しいデザインで豊富に使うことになった木材を調達できるのか?」という疑問です。

採用されたA案は「国産スギを多用」とデザインの特徴をアピールしていますが、現段階で調達ルートや価格まで精査できている可能性は低いように思えます。

オリンピックに使用される木材は「森林認証」を取っていることが世界標準になっていますが、日本には「森林認証」を取得した森林が極わずかしかないのです。

森林認証とは、1990年頃にできた環境保護の為の制度の一種で、森林の経営方針や管理・作業方法などを第三者機関が審査し、合格すると認定されるものです。

そして、認証を受けた森林から出荷された木材は、製材や流通過程でも認証された会社を通す必要があるのです。

国際的には森林管理協議会(FSC)の認証や各国の認証制度を相互認証する組織(PEFC)がありますが、日本は、PEFCへの加盟準備中という段階です。

ロンドンオリンピックを始め、歴代の開催国で当然のように使用されてきた森林認証木材が、万一、東京オリンピックで使用されない場合は、世界中から批判を浴びるかもしれません。

日本には、FSC認証森林が約40万ヘクタールしかありませんが、全ての認証森林で木材生産している訳ではなく、出荷されている認証木材量は極わずかです。

国内の林業業者からの強い要望もあって木材の使用を義務付けたデザインコンペでしたが、現時点では、認証を取得した国産木材を新国立競技場に大量に使用するのは困難が予想され、外国産の木材に頼ることになるかもしれません。



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マンション問題について思うこと



上の完成予想図は、ショッピングセンターの「ららぽーと横浜(手前側)」と杭工事が問題になっているマンションの「パークシティLaLa横浜(奥側)」です。

ミシェルのお父さんは建築の専門家なので、今回のような出来事は、非常に残念に思います。



上の完成予想図は、不適切な杭工事が原因で、建物の一部が傾いているパークシティLaLa横浜です。

2006年当時の販売用パンフレットには、「見えない部分こそ、高い信頼性」と書かれてあったそうですから、今回の問題は何とも皮肉です。

もっとも、日本のマンション販売用パンフレットには、夢のような言葉ばかりが記載されていますから、話半分に理解する必要があるのかもしれません。



施工を担当した旭化成建材の説明によると、問題になっている杭工事は「ダイナウイング工法」だったそうです。

上の図は、その「ダイナウイング工法」の手順を示していますが、この工法の主な特徴は、次のような内容です。

1.従来の工法に比べて、排出土量が少ない。(約7割減)

2.従来の工法に比べて、強度が高い。(約3倍)

しかし、実際には「ダイナウイング工法」ではなかったという噂もあり、真実は闇の中です。

パークシティLaLa横浜は12階建てですが、ミシェルのお父さんは、海沿いに建つ湾岸タワーマンション(20階建て以上)の方が、もっと気になります。

マンションを販売する不動産会社の営業担当者は「このマンションは、100mもの杭を打ってあります」とか言って安全性を強調しますが、建設場所は基本的に埋め立て地が多く、かつ震度6以上の地震で長大な杭がどのように挙動するのか実際には経験していないのです。

東北大震災の時も、都心近くでは地盤の液状化問題が発生しました。

液状化した地盤で、果たして長い杭がどのようになるのか・・・。

杭の問題だけではありません。

これまでの建物は、地震に対して主に短周期のチェックがなされていましたが、長周期のチェックがおろそかにされていました。

長周期は、人間には感じにくい揺れなのですが、建物を大きく揺り動かす力が働きます。

その為、高層建物程その影響を受けやすく、場合によっては、大きなダメージを受ける可能性があるのです。

また、地震時、エレベーターは自動停止してしまいますが、タワーマンションの高層階に住む人達にとっては、致命的な問題にならないとも限りません。



阪神大震災以降、日本の構造設計基準が見直されました。

単純な言い方をしますと、鉄筋の量が以前よりも増えました。

大型のビルやマンションの基礎部分では、上の写真のように、極めて鉄筋量が多いケースも見られます。

浩造計算上は耐震性が高くなりますが、工事を行う人達からすると、これは厄介な問題を抱えています。



鉄筋が多過ぎて隙間が少なくなり、コンクリートを緊密に充填することが難しくなるのです。

その為、コンクリートの水量を増やして流動し易くする方法がありますが(通称:シャブコン)、これは、コンクリートの品質を低下させてしまうのです。

また、コンクリートが流動し易くする為に、バイブレーターを使ってコンクリートに振動を与えますが(青いヘルメットの人が行っている作業)、これが過度になると、コンクリートの分離が生じてしまいます。



コンクリートが上手く充填できていないと、上の写真のように、コンクリートの中に隙間ができてしまい(通称:ジャンカ)、構造計算で想定した強度を確保することができません。

ひどい場合は、砂利だけではなく、鉄筋が露出してしまうこともあり、そうなると、破壊して再度コンクリートを打設し直す必要があります。

しかし、ジャンカ部分にタイルを張ってしまうと表面からは見えなくなってしまうので、マンションなどを購入する人が問題に気づくのは極めて難しくなります。

この他にも、今の日本は深刻な問題を抱えています。

団塊世代のベテラン社員が数多く退職してしまった建設会社は、人材不足に悩んでいます。

また、東北大震災の復興工事や東京オリンピックに向けた工事の増加などで、建設業界は深刻な職人不足に直面しています。

このような背景が、新たな欠陥工事を生む可能性が無いとは言い切れません。



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空中に浮かぶガラスのプール



ロンドンにある米国大使館に隣接して建設される超高級フラットに付属するスカイプールが、今、「これは怖い」とか「すごい光景だ」と話題になっています。

ロンドンの行政当局が、ロンドン中心部で建設予定の超高級フラットの開発業者に対し、高さ10階建ての建物2棟の間の空間に分厚いガラス製の「空中プール」を造ることを承認したのです



プールは、長さが90フィート(約27m)、高さが9フィート(約2.7m)、水深が4フィート(約1.2m)です。

そして、ブール自体は、厚さ20cmのガラスで造られています。



この透明なプールは、地上35メートルの高さに設置されます。

この超高級フラットは、Appleとも関係があるエカーズリー・オキャラガンというデザイン会社が手がけ、建設が順調に進めば、2019年の夏に完成する予定です。



この超高級フラットの建設費は、約10億ポンド(約1850億円)です。

住戸の価格は、最も小さい間取りで約65万ポンド(約1億2000万円)と想定されています。



泳ぎながら、ビッグベンや大観覧車も見ることができます。

皆さんも購入されて、泳いでみますか

えっ、「カリーノパパさんが購入したら」ですって。

恐らく、このプールを見た途端に足がブルブル震えそうですから、カリーノパパは遠慮しておきます



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お粗末の極み(続編)



上の写真は、新国立競技場の完成予想図です。

緩やかなスロープを歩いて競技場に入っていくアプローチは、美しく、かつダイナミックです。



つい先日、下村文科相が舛添都知事に500億円の支援を要請した際には、競技場の規模を縮小して、建設費が3000億円から1625億円になったと言われていました。

ところが、ゼネコン(大手総合建設会社)が見積りを行った結果、建設費は3000億円、工期は50か月かかることが判明しました

下村文科相が舛添都知事に対して「1625億円の内、500億円を出して欲しい」と言ったことは何だったのでしょうか

開閉式屋根の工事はオリンピック後に行い、可動式の15000席の座席を仮設にし、安い材料を使用する等の減額案を採用したとしても、建設費は3000億円から2500億円になるだけで、当初予算の1300億円には遠く及びません。

まさに「お粗末の極み」とは、このことだと思います。



上の写真は、ザハ・ハディド氏設計による原案の完成予想図です。

まことに美しく、かつ流麗なデザインだと思います。



そして、日本スポーツ振興センター(JSC)が、減額の為、原案から赤い部分を削除して修正案を提示しました。

しかし、デザインとはきわめて繊細なもので、線一本変えるだけで、原案のデザインは損なわれてしまいます。

このようなお粗末なことをやるなら、むしろ新たに設計をやり直すべきだと、ミシェルのお父さんは思います。

そして、設計要綱で予算を明確にし、かつ維持管理が安価で容易であることも明記すべきだと思います。

最初の設計コンペで恐らく根本的にボタンをかけ間違えたものと推測されますから、一番上のボタンだけかけ直すようなことをやっても、3000億円が1300億円になるはずもありません



原案の建設費が高額になる理由は、規模の問題だけではなく、構造的な問題もあるように思います。

上の図の赤い部分が競技場の主要構造部ですが、これは建築的な構造のスケールを超えて、巨大な橋を造る際の構造に似ています。

つまり、建築の枠を超えて、土木の領域にまで及ぶ構造と言っても過言ではないと思います。

橋のような構造の利点は、100m以上も柱が無い空間を創造することが可能になることです。



上の写真は、タイのバンコクで新しく建設されたスワンナプーム国際空港です。

ミシェルのお父さんは、通算で約3か月ほどバンコクに出張し、この建物の国際入札業務に関与しました。(ドイツとタイの建設会社とチームを組み、そのチームのコーディネーションを担当)

この建物の規模も大変大きく(建設費が1500億円超)、かつ巨大で複雑な形の構造を有していました。

その為、土木の専門家がチームに加わり、技術的解決と見積り作業を行う必要がありました。

この建物の場合も、なかなか見積金額が予算内に収まらず、何度も入札をやり直したことが想い出されます。



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プロフィール

カリーノパパ

Author:カリーノパパ
●シェリー(シェルティー母):
 とっても優しい理想的な家庭犬
 アンジェの母親です

2016.4.18永眠、享年15歳11ヶ月

●アンジェ(シェルティー娘):
 ボール遊びと食事が大好きです
 我が家で生まれました

●カリーノ(ラフコリーの女の子):
 ショードッグ
  【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 FCIインター・チャンピョン 
 【主な賞歴】
 2009年アジアインターBOB
 2010年ジャパンインターBOB
 2010年近畿インターBOB
 2010年東北インターBOB 
 2010年ペディグリーアワード
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

2014.12.9永眠、享年8歳5ヶ月

●ミシェル(ラフコリーの男の子):
 陽気で優しく、人が大好きです
 ショードッグ
 【主なタイトル】
 JKCチャンピョン
 【主な賞歴】
 2011年神奈川インターWD
 2014年熱海愛犬クラブ展WD
 2014年山梨東ドッグコ展WD
 2015年沼津愛犬クラブ展WD
 【資格】
 JKC訓練資格CDⅠ

●カリーノパパ(人間):
 ミシェル達のお父さん
 本職は建築家(一級建築士)
 犬、スキー、ゴルフ、車、絵画が大好き
 1974年から大手建設会社の設計部にて勤務
 1986年に海外部門に異動し、14年間海外勤務
 内13年間をロンドンにて勤務
 2012年に大手建設会社を定年退職
 同年5月から河口湖でスローライフ開始

●訪問ありがとうございます。
4頭の犬と一緒に暮らしながら、日々感じたことを綴っています。
ミシェルとミシェルのお父さんであるカリーノパパが、記事やコメントを書いています。

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